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乙女ゲー主人公の妹になりました  作者: りり乃
1章 生徒会と先生と受験生
14/16

休日も大変です(2)

「先輩方、奇遇ですね。じゃあ私達はそろそろ帰るので…」


そう言い、急いで鏡夜の手を掴みその場を離れようとする。が、先輩方はそれを許してくれはしなかった。


「結城、雲雀ちゃんを捕獲しなさい」

「ラジャー!けーちゃん隊長!」


そして犬のように私に駆け寄り、私にギュッと抱きついてきた。これは捕獲というより彼氏が後ろから彼女に抱きついてるカップルの図に思えるのは私だけだろうか?私が有栖川先輩の腕から逃れようともがくと先輩はもっと力強く抱きしめて、私の匂いをかいだり、頭をわしゃわしゃと撫で始めた。


「ひーちゃん良い匂いだね〜!髪もふわふわ気持ちいい…」

「…先輩って犬みたいですよね」

「結城、雲雀ちゃんから離れなさい」


渋々といった感じに離れる有栖川先輩。やっと解放された。さあ、帰りましょうと鏡夜の手をまた掴み帰ろうとする。が、御子柴先輩が鏡夜をじっと睨んでいた。


「ねえ、雲雀。この男だれ?」

「そういえばそうだね。君は誰で雲雀ちゃんとはどういう関係なのかな?」

「もしかしてひーちゃんの彼氏!?」


先輩方は鏡夜を私の彼氏と勘違いしたらしい。鏡夜はそれを否定しようと口を開いたが、私が鏡夜の口を抑えて「ええ、彼は私の彼氏なんです」と言う。これで少しはフラグが立たなくなるだろう。相手が彼氏持ちならちょっかい出してこないはず…!


「じゃあ私達は帰ります。さよなら先輩」


そう言って後ろを振り返って歩こうとしたが、誰かに正面からぶつかってしまった。


「あ、ごめんね。お嬢ちゃん…って雲雀じゃないか!お?鏡夜も一緒?姉弟(きょうだい)そろって買い物か!仲がいいな!」


ぶつかった相手は彰君だった。何で彰君はいつもタイミングよく現れるのだろう。


「本当彰君って空気読めないよね…」

「ん?なんか言ったか?それよりさ、今日雲雀んちでご飯食べていい?最近レトルト食品ばっかり食べててさ、たまには手料理が食べたいなーって?」


ね?お願い!と彰君が言ってきたが今はそれどころではない。先輩達に私と鏡夜が恋人ではないとばれてしまった。しかし、私達は咎められることはなかった。怒りの矛先は彰君に向かったのだ。


「日向先生。雲雀ちゃんとはどういうご関係で?」

「んー。そうだなー雲雀と桜花と鏡夜の幼馴染兼近所のお兄さんかな?」

「それより!手料理ってなんですか!先生ひーちゃんの手料理食べたことあるんですか!?ずるいです!」

「俺も食べてみたい」


日向先生が人質になってくれてる間に私達はもう食材を買って帰りましょうと鏡夜に言い、私達はその場を後にした。







私達は今スーパーにいる。そして、私はよく知る人を発見した。


「あら?篠崎君。あなたもお買い物?」

「ああ、今日は母さんが旅行でいないから自分で作らないと…って早乙女!?」


まるで幽霊でも見たような顔をして私を見た。しかしすぐにいつものぶっきらぼうな顔に戻って、鏡夜を誰だ?という風に見た。


「この子は私の双子の弟の鏡夜」

「俺は篠崎奏。よろしく」


そして握手を交わす2人。この2人仲良くなりそうだわ。


「そうだわ鏡夜!今日鍋パーティーにしましょ!篠崎君も誘って!」


どうせ、先生が根負けして生徒会の人達を連れてきて早乙女家で夜ご飯になりそうだし。1人や2人増えてもどうってことない。篠崎君、今日1人でご飯らしいし。撫子も誘ってみようか。


「そうと決まればさっそく鍋の材料を探しましょ」







先生と生徒会役員は予想通り早乙女家にやってきた。電話をして呼んだ撫子も皆の少し後にやってきて、うるさいくらいにぎやかになった。

鳳先輩が 鏡夜と私を、何故恋人だと嘘をついたのだ、と忘れていたと思っていたのに言われてしまったり、彰君が滅多に飲まないビールを飲んでものすごく酔っ払って服を脱ぎだして大変だった。もう彰君には絶対にお酒を飲ませてはいけないことを学んだ。



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