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乙女ゲー主人公の妹になりました  作者: りり乃
1章 生徒会と先生と受験生
13/16

休日も大変です(1)

 今日は珍しく鏡夜と二人で買い物だ。といっても、鏡夜は姉に頼まれて嫌々という感じだが。


「どうせ今日も荷物持ちなんだろ?」

「大正解!」


 はあ、とため息をついて先を歩いていってしまう鏡夜。そんなにも荷物持ちがいやなのだろうか?それとも私と一緒に買い物というのが嫌なのだろうか!?


「お願い鏡夜!荷物は私が持つから一緒に買い物行こう?ね?ね?」

「…別に行かないとか言ってないし。てか、女に荷物持ちさせるほど俺は弱くないぞ」


 ぶっきらぼうにそういって、また私の歩みに合わせてくれる鏡夜。そんなツンデレな片割れは私の自慢だ。鏡夜は姉と同じで、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群。早乙女家にはすごい人しかいないのかと思うが、私は凄そうではない。自分で言ってしまうが私はお姉ちゃんには及ばないけれど容姿端麗、そして頭脳明晰だ。しかし、私の大きな短所は運動が全くだめだということ。50m走を計ってもいつも10秒は余裕で超える。ボールを使う種目では、授業の毎時間といってもいいほど顔面にボールが当たっている。


「ん?あれって…」


 鏡夜が道の先を見つめている。何かあるのだろうか?私も鏡夜が見てる方向を見てみるとそこにはあの子がいた。


「あっ!伊織くーん!」


 ぶんぶんと左右に大きく手を振り大きな声で名前を呼ぶ。  


「お姉さん!」


 伊織君も大きく手を振ってこちらにかけよってきた。


「お姉さん全然僕を呼んでくれないから暇だったんだよ!」

「ごめんごめん」


 伊織君の頬がぷくーっと膨らんで口の中にひまわりの種をつめているハムスターのような顔になっている。お詫びにジュースおごってあげるからと言って、近くの自動販売機まで行った。そして、お金を入れ伊織君が選んだジュースのボタンを押してジュースを取り出す。


「それじゃあ本題ね。ずばり、今の好感度は?」

「うーんとね…」


 伊織君は考える人のようなポーズをとって考える。そして、伊織君が鞄からノートを取り出し、攻略対象の名前と数字を書いていく。今の私(左)と桜花(右)の好感度がこれらしい。


日向彰    15  25

鳳桂馬    27  21

篠崎奏    17  19

有栖川結城  17  18

御子柴紫苑  20  23 

早乙女鏡夜  19  16


 好感度は最大で100らしい。100になるとそれぞれのエンドへ入っていくと伊織君は言った。…突っ込みたいことは二つある。何故、鳳先輩の好感度が以上に高いのか。それと、何故鏡夜も攻略対象に入っているのか。突っ込みどころ満載だ。まあ、攻略対象全員(鳳桂馬、早乙女鏡夜除く)が私よりお姉ちゃんの好感度の方が上で良かった。

この調子でお姉ちゃんと攻略対象達の仲を近づけていこう。


「ありがとね伊織君!じゃあ私用事があるから!」

「ばいばいお姉さん」


そして伊織君は走って行った。いけないいけない、はやくお姉ちゃんから頼まれたものを買いに行かないと遅いと怒られてしまう。お姉ちゃん門限とかには厳しいからなー。でも今日は鏡夜が一緒だから大丈夫かな?


「あのガキってこないだのやつだろ?いつの間に仲良くなったんだ?」

「ふふっ秘密だよ!さあさ、はやくお買い物に行こ!」









近場のショッピングモールについた。このショッピングモールは老若男女に人気で、平日でもとても混んでいる。必要なものは食材だけだからもっと近場のスーパーでも良かったのだが、行くなら楽しいところじゃないと!


「鏡夜、鏡夜!アイス食べようよ!私がおごるから!」

「はあ?買うもん買ってさっさと帰るぞ」

「そんなこと言わないで!さあ!」


鏡夜を無理やりお店に連れ込む。バニラ味チョコ味ミント味どの味のアイスにしよう。鏡夜はもう諦めたようで、チョコ味のアイスを頼んでいた。どれも美味しそうでなかなか決めれない。


「鏡夜ー決めれないよー!どうしよ!」

「雲雀イチゴが好きだっけ?ならストロベリー味にすれば?」

「そうしよっかなー?でもなー…」


ショウケースを見ながらうーんとうなる。ストロベリー味もいいけどチョコ味も食べたくなってきた。チョコ味なら鏡夜に少しもらえばいいかな?


「すみません。ストロベリー味をお願いします」

「ストロベリー味ですね。少々お待ちください」




私達はそれぞれ頼んだアイスをもらって店内は満席だったので店の近くにあったベンチに座った。


「やっぱり美味しいね!冬なのにいくらでも食べれそうだよ!」

「そうだな」


鏡夜もまんざらでもなさそうに食べている。素直に美味しいと言えばいいのに。


「ねえねえおーちゃんの誕生日プレゼントどうする?」

「そうだな桜花の誕生日ももうそろそろだな」

「去年みたいにまたしーくんちでパーティーやろうよ!」

「えー?またー?今年は桂馬んちでやればいいじゃん」

「それもいいね!そうだ!ひーちゃんも呼ぼうよ!」

「ああ、それは名案だ」


聞き覚えのある声、独特な呼び方。なんで彼らがここに!?そこにいたのは生徒会の鳳桂馬、有栖川結城、御子柴紫苑だった。


「ひぃっ!?なんであの人達がいるのよ!!」


思わず大きな声で叫びそうになってしまったが、小声に抑えることができた。鏡夜には不審な顔で見られたが今はそれどころではない。あの人たちにばれないようにここから離れなければ。


「あれー?ひーちゃんだ!こんなところで偶然だね!ひーちゃんに会えるなんて僕たちついてるね!」


さっそくばれてしまいました。





雲雀が気づいてないだけで鏡夜もシスコンですw

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