3話 黒装束の狙い
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朝から、嫌な予感はしてたんだ。
「空崎、お前は実技の時間に空中で寝るなっ!!」
いつもの対戦の授業。
霊圧が上がってきた今、葵唯はよく授業をサボっていた。
「・・・」
無言は葵唯の得意分野。
「中多に迷惑がかかるだろ・・・」
「ぜんぜん大丈夫ですよ、先生」
そう言いながらも、
不機嫌な顔で私を見る中多くん。
うん。
いいとか絶対思ってない顔。
「ゴメンね。私馬鹿だから」
馬鹿な私を演じなきゃいけないのも大変。
その苦労を分かる人なんていないんだろーな・・・。
心の中で呟く。
「ちっ…」
けど、そんな時に聞こえた舌打ち。
心臓がドクン、と脈を打つ。
キーンッ!!
金属が交わる音。
目の前で、中多と黒装束の男は武器を交えていた。
あの舌打ちは、そういう意味。
周囲は突然の出来事に慌てふためく。
「緊急体勢っ!!」
その声とともに警報装置が鳴り響く。
見渡せば、同じような黒装束が囲んでいる。
この状況じゃ、応援は遅い。
「…何が目的?」
こんな奴等は初めて見た。
霊力はきっとこのクラスの人間より高い。
雷堂みたいな特別な奴は別として。
「お前は我々と一緒に来てもらう」
またか・・・。
まぁ…結局、この力が目当て。
昔から、あたしは狙われてる。
大いなる力を、奪うために。
「嫌。あんた達禁忌を犯した死神でしょ?」
黒装束の輪の外で、駆けつけた死神が目を見開く。
気配を察知するのは葵唯にとってみれば朝飯前。
「禁忌を犯してまで私の力が欲しいの?」
「そうだ」
「何が目的なの?」
「・・・」
黒装束は答えない。
・・・何のためなのか・・・探らなきゃいけない。
「・・・目的はなに?」
さっきよりもきつく声を発した。
・・・私だけならともかく、みんなは・・・巻き込めない。
「・・・お前がよく知るお方のためだ」
「えっ・・・?」
よく知るお方・・・?
誰だ・・・?
「誰だ?」
「それはお前自ら知ることだ」
黒装束は不気味に笑った。
その笑みは実に真っ黒な笑みだった。
「お前を連れて行く」
「私がおとなしくいくとでも?」
「ならば力ずくで行くぞ」
「・・・かかってきなさいよ」
絶対に負けない。
葵唯はそう強く思いながら、黒装束が言っていたあるお方のことがどうしても気になっていた。
・・・誰なんだろう・・・。
まさかっ・・・晃?
この時、葵唯が疑問に感じたものこそが、のちに平和を壊してゆくモノの始まりであった・・・。
何とも微妙なとこで終わりました・・・
ぜんぜん人物が出てきませんでしたね(--)・・・
次はバトルシーンと謎の晃についてのお話になるかと思います(^^)/
また、よかったら読んでみてください。