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大地の護り歌  作者: 葵乃
3/4

2話 魂を送る者

2話更新です。


読んでもらえると嬉しいです。

いつものように、担任の怒声が響くのは、クラスが平和な証。


そう思っているのは、きっとただ1人の問題児だけだろう・・・。




「葵唯、お前はまたサボりか??」


「そう」


教室はめんどうだからね・・・色々と・・・。


ここは理事長室。


「理事長、鈴増やしたい」


そういいながら、ソファに寝転んでみる。


その瞳は真剣そのもの。


理事長と呼ばれる男は葵唯に歩み寄った。


男は彼女の頭を撫でた後、額を小突く。


20代前半の若い男。それは藤堂(とうどう) (かい)


死神養成学校の理事長。


そして、現死神界最強とされている。


一目置かれる存在の彼は、私の育て親でもある。


私の両親は不慮の事故で死んだ。


それ以来、櫂が一切の面倒を見てくれている。


櫂は唯一の理解者・・・。私を大切にしてくれる優しい人。


まぁ、多少馬鹿な部分もあるけど・・・大切な人・・・。


・・・そんなこと、絶対言わないけどね。


「櫂」


「呼び捨てにするな」


「別にいいでしょ」


「お前なー」


櫂といると落ち着く。


「はぁ…。それより、それ以上鈴増やしたら…」


首元の鈴。


それは私の霊圧を押さえる代物。

霊圧っていうのは、死神が持つ力のこと。

死神は霊圧が尽きれば死んでしまう。

しかし、強すぎるそれに当てられると身体に異常をきたす。

普通の死神は霊圧を抑える必要はない。


でも・・・



「鈴じゃ、限界」



私があの教室で過ごすには、霊圧を極力抑える必要がある。


私だけが・・・。



:空崎家:      

闇を光によって守り、救ったとされる神の一族。

葵唯はその一族を治める者。


死神には、死期が近い人間の魂を狩るという仕事がある。

そして、狩られた魂を天界へと送る。

代々空崎の血を受け継ぐ者しかできない。

それができるのは・・・私だけ。


でも、今は霊圧を抑えているから、遅れないんだ・・・。


葵唯がいなければ世界は魂に溢れる。


そして、崩壊の時を再来させてしまう。



「テストで50点維持するの、大変なんだからね」


平均50点。


それは、毎回50点しか取らないから。



「不穏な動きがあるのは知ってるだろ??狙われてるんだから」


それを名目に、櫂は私をEクラスに在籍させている。


実際はAクラスにいても何の問題もないくらいの力の持ち主なのにだ。


霊圧の高い死神ほど、いろんな奴に狙われやすい。


だから、葵唯はよく狙われる。


しかし、霊圧の低い死神は、狙われる可能性は低い。


だから、Eクラスに在籍をさせてくれてるのだ。


櫂は私を・・・守ってくれている。


・・・ありがとう・・・。


でも・・・



「心配してくれなくても大丈夫」


これは、本音。


もうこれ以上、櫂に迷惑かけたくない・・・。


「お前なぁ・・・」


「大丈夫だから・・・」


意地っ張りな私。


そんな私に櫂は・・・


「なんかあったら・・・俺に言え。いつでも助けに行く」


そういって笑った。


・・・本当にありがとう。


心の中でお礼を言う。                                                                                  言葉にするのは・・・照れくさいから・・・言えないけどね。


「了解」


そう言い残し、理事長室を出て、まっすぐ屋上に向かった。




魂が天界に行く為には送ってもらう必要がある。


すなわち葵唯の元には魂が集まってくるということ。



送れない状況下にある今、魂達の記憶が、叫びが、聞こえてしまう。


それは耐えがたい痛みであり、精神的負担が大きい。



「ごめん・・・」



それを落ち着ける為、葵唯はこの所ここで笛を吹き続けていた。


笛は櫂がくれた。


魂を少しでも落ちつけられるようにと。


「…今、送ってあげられないから」



魂を宥めながら、笛を手に屋上に立つ。


増え続ける魂に葵唯自身も心を痛めていた。




屋上から街全体へと笛の音色が響き渡る。


その美しい旋律は、生ける者への癒し。



(こう)・・・」



貴方にできるせめてもの償い。


愛しい人は、今、何処にいますか・・・?







読んでくれてありがとうございました。


次からは、新しい人たちがたくさん登場する予定です!(^^)!


また、暇なときにでも読んでもらえたら嬉しいです(*^^)v


よろしくお願いします(^^)/

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