好きだからやめられなかった私が、やめることにした話
クラスで一番かっこいい彼に告白して――振られた。
「ごめんね。君のことは、友達としてしか見られない」
何度も聞いた言葉だ。
⸻
「やっぱり振られちゃったよ」
ララは笑いながら、クレアに報告した。
「もう最後にしなさいよ。何回目?」
「八回目。キリがいいから十回までいこうと思ってたのに」
クレアは呆れたようにため息をつく。
「付きまとわれて迷惑でしょ。本当に好きなら、やめてあげなさい」
ララは少しだけ考えて、首をかしげた。
「本当に好きだから、やめられないんじゃないの?」
「違うわよ」
クレアはきっぱり言う。
「本当に好きなら、相手が幸せならそれでいいって思えるの」
少しだけ間を置いて、続けた。
「ララ、あんた。ライオネル君が他の子と付き合ったら、意地悪しそう」
「……するかも」
ララは苦笑する。
「私の方がふさわしいって、言っちゃうかも」
「ほら見なさい」
クレアは腕を組んだ。
「いい? きっぱり、縁を切るのよ」
ララは小さく頷いた。
「……難しいけど、頑張る」
⸻
それから、ララはライオネルのグループと距離を取った。
できるだけ、目も合わせないようにした。
すると――
「ララ」
逆に、ライオネルの方から話しかけてくるようになった。
「付き合えないのは変わらないけど、友達ではいたいんだ。距離を取らないでくれないか」
その言葉に、ララは一瞬だけ迷う。
けれど――
「ララは、ライオネル君のことを忘れたいの。中途半端に優しくしないで」
クレアが間に入った。
ライオネルは言葉に詰まり、わずかに耳を赤くする。
⸻
距離を取って、初めて見えるものがあった。
見たくなかったものも。
ララは気づいてしまう。
――ライオネルが見ているのは、自分じゃない。
⸻
(ああ……そういうことなんだ)
ララはそっと息を吐いた。
二人の仲を取り持つことは、できる。
きっと、うまくいく。
でも――
(今の私は、祝福できない)
だから。
(もう少しだけ、時間が欲しい)
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乙女ゲームのバッドエンド絵師、ゲーム世界に転生する 〜バッドエンドしかない世界で、運命を捨てる〜




