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第9話 原作主人公は覚醒する

   第9話 原作主人公は覚醒する


精神を統一し深く集中させ魔力を体中に巡らせる、こうすることによって魔力が染み込み少しずつだが肉体が強化されるとリュゼルさんが言っていた。実際この訓練を始めてから少しずつだが体力が増えてきたし体の動きが良くなった気がする。


今頃リュゼルさん達は王城攻めをしているはず俺は家で休んでいろと言われたし素直に従っておこう。学園に入るための勉強もあるしな。

そんな事を考えていると外から声が聞こえてくる。


「全兵士に告ぐ!王城にて反乱発生!至急王城へ迎え!」


応援が向かっているのか……少しでも負担を減らしたいし腕試しも兼ねて戦うか。


俺は剣を手に取り窓から外へと飛び出した。



「兵士さん城に行かれるんですか?」


「あぁ、そうだ逆賊が現れたようでな捕まえねばならん」


「なら行かせるわけにはいきませんね、あの人達の邪魔はさせません」


「何を言って…」


言い終える前に兵士を峰打ちで倒していくと何処からともなく槍が飛んできた、それを剣で弾くと何処からともなく声が響いてきた。気配がまるで無かったこの人はおそらく相当な強者だ。


「ヌハハハハ!儂の槍を防ぐとは貴様かなりのやり手だな?」


「知らない人に褒められてもあまりいい気はしませんね、貴方は何処のどなたです?」


「儂はシトラス王国騎士団前団長にして王家公認指南役のバラモ・カーム!王に楯突くお主にはここで消えてもらうぞ!」


老いてはいるが鍛えられた肉体は維持され最高の状態となっている。勝てるかどうかなんて考えるな、勝つそれだけを考えるんだ。


体中に魔力を行き渡らせ強化し斬りかかるがことごとく槍で弾かれてしまう、反撃をいなしきれず傷が増えてきて息も絶え絶えになってくるこのままでは押し負ける……なら


「魂装顕現『紅蓮双剣(フランベル)』」


美しき炎を纏う剣を出現させ再び斬りかかる先ほどとは違いこちらが押し始めたとき不意にバラモが笑みを浮かべる。


「良いぞ良いぞ!よもや魂装顕現を使えるとは!こちらも全力でゆくぞ!魂装顕現『魔槍ヘブン』」


僕のとは違い禍々しい槍が現れる、お互い一歩も譲らぬ攻防を続けていくがついにいなしきれず腹に槍が突き刺さってしまう、痛みを堪えつつ攻撃を続けるが怪我の影響でどんどん傷が増えていき意識もぼんやりとしていく。


こんなところで死にたくない死んではいけないそう強く思ったとき凄まじい魔力が体から解放された。


その言葉は自然と頭の中に浮かび上がってきた。


「結界魔法『聖炎神殿』」


眩しく美しい明るさを放つ炎に囲まれた神殿が出現するその神殿を囲むように魔力の結界が展開していく。


傷が癒えていき力がどんどん溢れてくる、それを感じつつ再び立ち上がる。


「これは結界魔法!?それにこの感覚は……まさかお主ッ!」


驚いている隙に剣撃を叩き込み気絶させる。

事情が事情だしむやみに殺す必要もないだろう。そう思いその場を後にした。







????視点


「首尾はどうだ?」


「魔王様復活のための準備は順調です。あとは生贄さえ用意できればすぐにでも復活の儀式を行えます」


椅子に座った男は邪悪な笑みを浮かべ笑う。


「そうか!そうか!いよいよ我が王が復活なされるのか。儀式以外のことはお前に任せる。決してぬかるなよ」


「仰せのままに」


銀色の鎧をまとった男がそう答え、去っていく。



魔王様さえ復活なされればもはやこの世界は我ら魔族のもの、しかし前回魔王様を封印に追い込んだ勇者その力が受け継がれるものだとしたら厄介だ。仮にいるのだとしたら探して早めに始末しなくてはな。


「ご報告です!シトラス王国にて小規模な内乱が発生現国王及び第一王子が討たれたとのことです。それともう1つ王都にて潜入中のバラモ殿が勇者の素質らしきものを持つ者を発見したとのことです」


それを聞いて俺は思わず立ち上がる、まずいすでに勇者が出現しているとは。勇者とは邪を祓う為に産まれた存在、邪そのものである魔族にとっては相性最悪の相手である。弱い魔族であれば近くにいるだけで意識を奪われ上澄みの魔族ですら本領を発揮できなくなる。それが勇者なのである。



「暗殺部隊を送れ殺せなくとも手負いにさせれば良い、それと擬似肉体を起動させておけ準備でき次第魔王様を復活させる」


「仰せのままに」


擬似肉体あれさえあればしばらくはなんとかなるだろう。あれは魔王様の肉体を可能な限り再現したもの、魂を移すことにより魔王様の力を扱えるようになるのだが肉体の性能に魂が耐えられず数分で動けなくなるデメリットがある。だがオリジナルである魔王様ならば問題あるまい。


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