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第2話  被災者のケアは重要である

 第2話  被災者のケアは重要である


 翌日俺達は、豪雨の被害にあった村であるサビラ村に来ていた。


「思っていたより被害が大きいな、資材が足りんかもしれんな」


豪雨災害の爪痕は凄まじく近くにあった川が氾濫し民家のほとんどが流され高所にあった家に村人たちが身を寄せ合い生活をしていた。

リュゼル様


「こんな辺境の村によくぞお越しくださいました、本日はどのようなご要件で?」


「あぁ、本来は復興作業を兼ねた視察には父上が向かう予定だったんだがな思った以上に被害が大きく復興支援金を出すための書類作業に追われているから代わりに来たんだ」


「そうでしたか、ありがたいことです」


「被害はどんな感じだ?見たところかなりのものだが」


「えぇ、村人の住居の約8割が流され畑や家畜もほとんど流されてしまいました。今は備蓄していた食料で何とかなっていますがそれもいつまで持つか…」


まぁそうだろうな、備蓄してある食料があったのは予想外だったが悪いことでは無いな。


「うちの兵を連れてきたからそいつらに復興作業をしてもらう、俺は村の人たちと話してくる」


リュゼルは若くして侯爵となった、そして自分の民のために苦悩し続け荒んでいった彼の姿は多くの人の心を掴み根強いファンを獲得するに至った。


「本当ですか!?リュゼル様は素晴らしいお方だ」


村人達を励ましながら避難地区を回っていくみんなこの生活に疲れているのか元気がなさそうだったので『疑似回復(シュドヒール)』を使いつつ被災者のケアをしていく。


VCS20には魔法属性が火・水・土・風・光・闇の6属性あり、その中でも闇属性は特殊で闇属性の魔力を他属性の魔力に変質させ威力は劣るものの擬似的に他属性の魔法を使用することができる。これは唯一の生存ルートである主人公との戦友ENDのみで使用可能となる要素でもある。


一通り被災者達の様子を見終え村長のもとに戻ってくる。


「だいたい周らせてもらったよ、うちの騎士達にはここに駐在して復興作業をしてもらう。あと定期的に日用品を届けさせてもらうぞ」


「分かりました、何から何までありがとうございます」


「他にも周る村があるんでなそろそろ失礼させてもらうよ」


そう言って俺達はサビラ村を後にした、その後も同じように被災した村を一週間かけて周っていった。


領都の屋敷に戻り父親の下へ今回の視察の報告をしに行くと深刻な顔で悩んでいた。


「父上どうしましたか?」


「リュゼルか、戻ったのか。実は北のカーヴェル子爵領でスタンピード発生の兆候があったらしく、研究者によると今回のはそれなりの規模になるようだ」


「それで我が家に救援を求めてきたと」


「そうだ、規模次第では私が行くべきなんだが如何せんこの前の豪雨でかなりの被害が出た上にこの期に及んで賊共が領内に入り込んできている。そのバカ共の対処もせねばならん」


「ならば今回は私が行って来ましょうか?」


カーヴェル子爵領はグレイ領の北方に近接している領地だ、その領地にはVCS20の主人公であるアッシュ・カルトフが住んでいる場所でもある。

スタンピードの発生は予想外だったがある意味チャンスだ。

この期に仲間に取り入れよう。


「そうだな他領を見ておくのも良い経験になろう、馬車を手配しておく。騎士団をすでに派遣しているからしばらくは持つだろう一先ず今日は休むと良い」


「分かりました父上、失礼致します」


領主室を出て鍛錬場へ向かい魔法を発動する。


「黒炎槍!」


 黒い炎の槍を生み出し的に当てる、速度・発動時間・威力共に申し分ない、魔力量もかなり増えてきた今は結界魔法を30秒維持する事ができるようになった、後はあれだな。

「魂装顕現『理之書《ヴェリタス》』」


  次の瞬間魔力がごっそり無くなるのを感じ、一瞬本のようなものが現れたがすぐに消えてしまった。これがVCSにおける主人公達の奥義魂装顕現か…消費魔力が異常だがこの年齢で一瞬でも発現させれるとは流石リュゼルと言ったところか。取り敢えず一旦寝て魔力を回復させるか


「俺は明日に備えて寝るらお前たちも休んでいいぞ」


「分かりました、ではまた明日」


シオン達と別れ自分の部屋に戻る。そしてステータスを確認していなかったことに気づきステータスが見れるのかを試してみる。ステータスを見たいと念じてみると目の前にステータスが表示された。


リュゼル・グレイ 10歳 男 人族


生命力:320/320


魔力量:10/ 950


筋力:95


防御力:82


俊敏性:90


知力:120


魂装顕現 『理之書(ヴェリタス)


ステータスは悪くないな。むしろ魔力量に関しては大人にも劣っていないレベルだろう一先ず魂装顕現を使いこなせる様になるか。


そんな事を考えつつ眠りに落ちていった。


『魂装顕現』それは己の魂を転写し武器の形に具現化する技。効果も形も人により様々で人の数だけ魂装顕現があると言われている。リュゼルの父であるゼガルドも魂装顕現を使うことができると設定資料にて明かされた。


ゼガルドの魂装顕現は『断罪之槍(ユーディカ)

1撃目は貫いた者の情報を読み取り2撃目で魂を壊す。魂を壊された者は肉体を維持する事ができず体が崩壊する。


ゼガルドは最高裁判官の地位についており断罪之槍によって罪人の罪を見て冤罪などを防ぎつつ判決を下している。

 またゼガルドが治めるグレイ領は領法が徹底して制定されており犯罪発生率は脅威の0.01%未満となっておりその領法さえ守れば非常に暮らしやすい地域となっている。一方犯罪者に対しては容赦がなく窃盗などの軽犯罪であっても手首を切り落とす判決がくだされる。



翌日俺とミリア、シオンを連れカーヴェル子爵領へと向かった。領地の入り口を警備している兵士達はスタンピードがいつ発生するか分からず緊張しているようだった。

俺は馬車から降り名乗った。


 「私はゼガルド・グレイ侯爵が嫡男、リュゼル・グレイ緊急要請に応じ参上した」


「おぉっ!貴方があのゼガルド侯爵の嫡男か、救援はありがたいが…」


そう言いかけてその兵士はそこで言葉を止める、まぁ言おうとしていることは分かる。俺はまだ若いいや若すぎるんだ戦場に立つには。貴族の嫡男が成人前に戦場に立つ事は早々ない、万が一の事もあるがそもそも戦場での圧に耐えれないのだ。


「問題ない、ここの責任者の下へ案内してくれるか?」


「はっ!只今案内致します。この先の建物にカーヴェル騎士団、騎士団長ガルム・スーカフが居ます」


そう言って奥にある建物へと歩いていった。








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