第八十二章:フェアリードラゴンの美しさの活かし方
カラン——
相談所のドアが開くと、ふわりと幻想的な光が舞った。
「……ここが仕事を探せる場所か?」
澄んだ鈴のような声。
誠が顔を上げると、そこには小柄なドラゴンがいた。 鱗は虹色に輝き、透き通るような羽がきらめいている。まるで宝石のように美しい存在だった。
れながノートを開く。
「……フェアリードラゴンですね?」
「ああ。」
「お名前は?」
「シルフィーネだ。」
「シルフィーネさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
シルフィーネは、羽をゆるく震わせながら、少し困った表情を浮かべた。
「……私は、美しいだけなの。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「美しいだけ?」
「ああ……私は、他のドラゴンみたいに強くもないし、炎も吐けない。ただ、美しいだけ。 これまでは、人々が私を崇めてくれたけど、今の時代、見た目だけでは生きていけない。」
シルフィーネは悲しげに尾を揺らした。
「私はこのまま、ただ飾られるだけの存在として終わるのか? それとも、私のこの特性を活かせる道があるのか?」
れなが頷く。
「つまり、美しさや幻想的な雰囲気を活かせる仕事を探しているってことですね?」
「ああ。しかし、そんなものがあるのか?」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
シルフィーネが興味を示すように、光る羽を揺らした。
「……何?」
「ファッションデザイナーになれ!」
シルフィーネの瞳が輝く。
「ファッションデザイナー?」
れなが頷く。
「シルフィーネさんの色彩のセンスと美しい羽のデザインを活かせば、世界で唯一無二のファッションブランドが作れるわ!」
誠がさらに補足する。
「最近は、幻想的なデザインが人気のトレンドになってるしな。お前が作れば、『妖精ドラゴンの魔法ドレス』として世界中のモデルやデザイナーが注目するぞ!」
シルフィーネはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「……なるほど、それは確かに私にしかできない仕事かもしれないわね。」
そして、羽をきらめかせながら、優雅に頷いた。
「よし、私はファッションデザイナーになる!」
結果:フェアリードラゴンの新たな道
数ヶ月後——
シルフィーネは、「フェアリードレス・コレクション」を立ち上げ、幻想的なデザインのドレスを発表した。
彼女の作品は「まるで魔法のような衣装」と話題になり、世界中のファッションショーで注目されるブランドへと成長した。
「私の美しさは、ただ飾られるだけのものじゃなかった。今は、人々を輝かせるためにある。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び静かに開かれる——。★




