第七十四章:ブラックナイトの失われた戦場
カラン——
相談所のドアが静かに開いた……と、同時に、鋭い金属音が響いた。
「……ここが仕事を探せる場所か?」
低く、重々しい声。
誠が顔を上げると、そこには漆黒の鎧をまとい、大剣を背負った騎士が立っていた。
れながノートを開く。
「……ブラックナイトですね?」
「ああ。」
「お名前は?」
「レオンハルトだ。」
「レオンハルトさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
レオンハルトは静かに腰に手を当て、深いため息をついた。
「……俺は、戦うために生まれた。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「戦うために?」
「ああ……かつては戦場で剣を振るい、戦いの中に生きていた。だが、今の時代には戦場がない。 剣を振るう場所もなく、俺の力は不要になってしまった。」
レオンハルトは拳を握りしめる。
「俺はこのまま、ただの鉄の塊を背負った男で終わるのか? それとも、俺にできることがあるのか?」
れなが頷く。
「つまり、戦士としての誇りを持ちつつ、武器を使わない仕事を探しているってことですね?」
「ああ。しかし、そんなものがあるのか?」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
レオンハルトが興味を示すように顔を上げる。
「……何だ?」
「VIPのボディーガードになれ!」
レオンハルトの赤い瞳がわずかに輝く。
「ボディーガード?」
れなが頷く。
「レオンハルトさんの剣技のスキルと戦闘センスがあれば、一流の護衛として活躍できるわ! 剣を使わなくても、護衛のスキルは十分に活かせるはず!」
誠がさらに補足する。
「最近は、要人や著名人を守るエリートボディーガードが求められてるしな。お前の忠誠心と戦闘能力があれば、世界最高の護衛になれるぞ!」
レオンハルトはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「……なるほど、それは確かに俺にしかできない仕事かもしれんな。」
そして、力強く頷く。
「よし、俺はVIP護衛のスペシャリストになる!」
結果:ブラックナイトの新たな道
数ヶ月後——
レオンハルトは、「シャドウ・ナイツ」というエリート護衛チームのリーダーとなり、世界中の要人を守る仕事を開始した。
彼の警護は「影の騎士」と称され、クライアントからの信頼も厚く、最も優秀な護衛の一人として知られるようになった。
「俺の剣は、ただの殺しの道具ではなかった。今は、人々を守るために振るわれている。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び静かに開かれる——。




