第六十六章:サンドワームの飽きた地中生活
カラン——
……いや、地響きが鳴った。
「……ここが仕事を探せる場所か?」
低く響く、乾いた声。
誠が顔を上げると、相談所の床が微かに揺れていた。そして次の瞬間、巨大な砂の渦がドアの前に現れ、そこから巨大なミミズのような生き物が姿を現した。
れながノートを開く。
「……サンドワームですね?」
「ああ。」
「お名前は?」
「デューンだ。」
「デューンさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
デューンは長い体をくねらせながら、ため息をついた。
「……俺は、ただひたすら砂漠の地中を動き回る生活に飽きた。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「飽きた?」
「ああ……何千年も砂漠を掘り続けてきたが、地面の中にはもう何もない。 ただ砂ばかりで、変化のない毎日だ。俺のこの掘削能力、どこかで活かせないのか?」
デューンは体を少し持ち上げて言った。
「俺はこのまま、ただの『動く砂漠の穴掘り』で終わるのか? それとも、俺にもっと別の道があるのか?」
れなが頷く。
「つまり、掘削能力を活かして、新しい仕事を探しているってことですね?」
「ああ。しかし、そんなものがあるのか?」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
デューンが興味を示すように頭を傾ける。
「……何だ?」
「地下工事の専門技術者になれ!」
デューンの小さな目がわずかに輝く。
「地下工事?」
れなが頷く。
「デューンさんの掘削能力なら、地下鉄のトンネル工事や都市開発に最適なはず。 地下資源を探る調査にも使えるわ!」
誠がさらに補足する。
「最近は地下都市の開発や、シールド工法(トンネル掘削技術)が注目されてるしな。お前の力を使えば、『最強のトンネル職人』になれるだろ!」
デューンはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「……なるほど、それは確かに俺にしかできない仕事かもしれんな。」
そして、力強く頷く。
「よし、俺は地下工事の専門技術者になる!」
結果:サンドワームの新たな道
数ヶ月後——
デューンは、「デューン・アンダーグラウンド・エンジニアリング」に参加し、世界各地のトンネル工事に貢献することになった。
彼の驚異的な掘削能力は「生きる巨大ドリル」と称され、難関工事を次々と成功させる伝説の技術者として知られるようになった。
「俺の掘る穴は、ただの砂漠のトンネルじゃなかった。今は、未来の都市を築くための道になっている。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び静かに開かれる——。★




