第四十九章:バハムートの伝説の活かし方
カラン——
相談所のドアが静かに開いた……というよりも、まばゆい光が差し込んできた。
「……ここが、仕事を探す場所か?」
威厳ある低音の声が響き、部屋の空気が一気に張り詰める。
誠がゆっくりと顔を上げると、そこには荘厳な金色のドラゴンが立っていた。
れながノートを開く。
「……バハムートですね?」
「その通りだ。」
「お名前は?」
「レクスだ。」
「レクスさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
レクスはゆっくりと翼を畳みながら、少し寂しげな目をした。
「……この時代、人々はもう俺を恐れない。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「恐れない?」
「ああ。かつては『神の龍』として崇められ、人間たちは俺を畏怖し、敬っていた。だが、今の時代、俺の名を知る者は少なくなった。俺の力は、ただの昔話の一部になってしまったんだ。」
レクスは、大きな爪でそっと床をなぞる。
「俺は、本当にただの伝説となって消えていくべきなのか? それとも、この時代で新たな意味を見出すべきなのか?」
れなが頷く。
「つまり、バハムートの名と威厳を活かしながら、新たな役割を持てる仕事を探しているってことですね?」
「ああ。しかし、俺にできることがあるのか?」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
レクスが興味を示すように顔を上げる。
「……何だ?」
「観光業のシンボルになれ!」
レクスの瞳がわずかに光る。
「観光業……?」
れなが頷く。
「レクスさんは、ただのドラゴンじゃない。『伝説の存在』としてのブランド力があるわ。なら、その存在感を活かして、世界中の人々にバハムートの名を再び刻むのはどう?」
誠がさらに補足する。
「例えば、『バハムート・エアライン』とか『天空の城バハムート』みたいな観光施設を作れば、めちゃくちゃ話題になるだろ! みんな、お前のスケールに憧れて見に来るに決まってるぜ!」
レクスはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「……なるほど、それは確かに俺にしかできない仕事かもしれないな。」
そして、力強く頷く。
「よし、俺は観光業のシンボルになる!」
結果:バハムートの新たな道
数ヶ月後——
レクスは、「バハムート・エアライン」の公式シンボルとなり、世界各国の観光地と提携した壮大なプロジェクトを立ち上げた。
彼の名を冠したテーマパークやリゾートは、伝説好きな人々や旅行者たちに大人気となり、「現代に蘇った神の龍」として広く知られるようになった。
「俺は、ただの伝説じゃなかった。今は、この時代に新たな意味を持つ存在となった。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び静かに開かれる——。★




