第四十八章:モスラの戦わない使命
カラン——
相談所のドアが静かに開いた……と同時に、ふわりとした甘い花の香りが漂ってきた。
「……ここが、仕事を探せる場所か?」
優雅で落ち着いた声が響く。
誠が目を細める。
「ん? 今度はどんなやつが来たんだ?」
ゆっくりと姿を現したのは、大きな羽を持つ美しい蛾のようなモンスターだった。
れながノートを開く。
「……モスラですね?」
「そうだ。」
「お名前は?」
「モナだ。」
「モナさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
モナは、ふわりと羽を揺らしながら、少し悲しそうな目をした。
「……私は、もう戦いたくない。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「戦いたくない?」
「ああ。私はこれまで、地球の守護者として戦い続けてきた。人間のために戦い、敵を退けてきた。でも……最近は、戦うことが本当に正しいのか分からなくなってきた。」
モナは、静かに羽をたたむ。
「私は、ただ守るだけの存在じゃなく、もっと別の方法でこの世界に貢献できるのではないかと思うようになったんだ。」
れなが頷く。
「つまり、戦いではなく、平和を守る仕事を探しているってことですね?」
「ああ。でも、私に何ができるのか……。」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
モナが興味を示すように顔を上げる。
「……何だ?」
「自然保護活動のアンバサダーになれ!」
モナの目が輝く。
「自然保護……?」
れなが頷く。
「モナさんの存在は、すでに多くの人間に知られている。なら、その知名度を活かして、環境保護や生態系のバランスを守る活動に貢献するのはどう?」
誠がさらに補足する。
「最近、人間たちは環境問題に真剣になり始めてるんだ。でも、まだまだ足りない。お前が『自然の守護者』として発信すれば、もっと多くの人が動くはずだ!」
モナはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと微笑んだ。
「……なるほど、それは確かに私にしかできない仕事かもしれない。」
そして、力強く頷く。
「よし、私は自然保護活動のアンバサダーになる!」
結果:モスラの新たな道
数ヶ月後——
モナは、「モスラ・エコプロジェクト」を立ち上げ、世界中で環境保護活動のシンボルとして活動することになった。
彼女の発信によって、多くの人々が環境問題を意識し、森林再生や海洋保護のプロジェクトが活性化した。
「私の使命は、ただ戦うことじゃなかった。今は、この星を守るために、言葉と行動で世界を変えている。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び静かに開かれる——。★




