第四十五章:エイリアンの馴染めない孤独
カラン——
ドアが開いた。
……ギュイイイン……
どこか電子的な音が響き、相談所の空気がわずかに変わった。
「……ここが、仕事を探せる場所か?」
低く、どこか異質な声が響く。
誠が目を細める。
「ん? 今回はどんなやつが来たんだ……?」
ゆっくりと姿を現したのは、長い頭部、鋭い爪、黒い外骨格に覆われた生物。
れながすぐにノートを開く。
「……エイリアンですね?」
「そうだ。」
「お名前は?」
「ゼクスだ。」
「ゼクスさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
ゼクスは、ゆっくりと尾を揺らしながら答えた。
「……俺は、この星に馴染めない。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「馴染めない?」
「ああ。俺はもともと、別の惑星の生物だ。だが、何らかの理由でこの地に辿り着いた……。」
ゼクスは壁の影に身を寄せる。
「だが、この世界の文化は、俺にとってあまりにも異質すぎる。人間たちは俺を恐れ、話すこともできない。 どこへ行っても異端者扱いされ、居場所がない。」
ゼクスの長い爪が静かに動いた。
「……俺は、この星で生きていくための仕事を探している。だが、人間と関わるのは難しい。俺にできることがあるのか?」
れなが頷く。
「つまり、人間社会に適応せずとも、自分の特性を活かせる仕事を探しているってことですね?」
「ああ。しかし、そんなものがあるのか?」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
ゼクスが興味を示すように、わずかに頭を傾げる。
「……何だ?」
「宇宙開発のマスコットになれ!」
ゼクスの鋭い歯がわずかに動く。
「……マスコット?」
れなが頷く。
「ゼクスさんの姿って、地球の生物には存在しないデザインでしょ? だったら、それを逆手に取って、宇宙開発やSFイベントのマスコットキャラクターになればいいのよ。」
誠がさらに補足する。
「最近、人間は宇宙開発に力を入れてるんだ。お前がその象徴になれば、『未知との共存』をテーマにしたアイコンとして活躍できるだろ?」
ゼクスはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「……なるほど。それは確かに俺にしかできない仕事かもしれないな。」
そして、力強く頷く。
「よし、俺は宇宙開発のマスコットになる!」
結果:エイリアンの新たな道
数ヶ月後——
ゼクスは、宇宙開発プロジェクトの公式マスコットとして活動することになった。
その異形の姿と「未知の存在との共存」というコンセプトは話題となり、宇宙ファンや科学者たちから大絶賛された。
「俺は、この星に馴染めない存在じゃなかった。今は、この星の未来を象徴する存在になった。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び静かに開かれる——。★




