第三十二章:ギルガメッシュの通じない伝説
カラン——
ドアが豪快に開いた。
「我こそは伝説の王、ギルガメッシュである!」
堂々と名乗りを上げ、黄金の鎧に身を包んだ男が室内へと踏み込む。
「おお……?」
誠が目を丸くし、れなも珍しく驚いた表情を浮かべた。
目の前に立っているのは、歴史上の英雄として語り継がれる存在——ギルガメッシュだった。
誠が椅子を勧めながら、興味津々に尋ねる。
「今日はどんな相談だ?」
ギルガメッシュは、玉座に座るかのように椅子にどっかりと腰を下ろし、腕を組んだ。
「……現代において、我が名がまったく通じぬのだ。」
れながノートを開く。
「どういうことですか?」
「かつて私は英雄として名を馳せ、多くの伝説を作ってきた。しかし、いざ現代で名乗ってみれば、『え? 何のゲームキャラ?』と言われる始末。」
誠が思わず吹き出した。
「たしかに、ちょっとキャラっぽいよな……」
「む……お前たちまで!」
ギルガメッシュはふてくされるように腕を組み、ため息をついた。
「つまり、自分のカリスマ性を活かせる仕事を探しているってことですね?」
れなが確認すると、ギルガメッシュは大きく頷いた。
「そうだ! 私はただの昔話ではない。今もなお、人々に影響を与える存在でありたい!」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
ギルガメッシュが興味を示すように顔を上げる。
「……何だ?」
「カリスマ経営コンサルタントになれ!」
ギルガメッシュの目が一瞬鋭く光る。
「経営コンサルタント……?」
れなが頷く。
「ギルガメッシュさんは、リーダーシップとカリスマ性があるでしょ? それなら、現代の企業のトップに、王としての統治術や指導力を伝授するのはどう?」
誠がさらに補足する。
「最近、企業の経営者って強いリーダーシップを求められるんだよな。でも、普通の人間じゃそんなスケールの大きい指導はできねぇ……。だったら、伝説の王に直接学べるってのは、めちゃくちゃ価値があるだろ!」
ギルガメッシュはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「……なるほど、それは面白い。」
そして、力強く頷く。
「よし、我は経営コンサルタントとして、新たな王を育てる!」
結果:ギルガメッシュの新たな道
数ヶ月後——
ギルガメッシュは、「王道経営コンサルティング」を立ち上げた。
彼の圧倒的なカリスマと、古代から続く統治の知恵を活かした経営指導は大ヒット。多くの企業経営者が彼の元を訪れ、「現代の王」としての資質を学ぶようになった。
「我が教えを受ける者は、皆、真の支配者となるであろう。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び豪快に開かれる——。★




