第二十五章:イフリートの炎の行き場
カラン——
相談所のドアが勢いよく開き、熱風が流れ込んだ。
「ここが、仕事を探せる場所か?」
低く響く、力強い声。
入ってきたのは、イフリートだった。
全身から燃え盛る炎を纏い、赤熱した瞳がギラギラと輝いている。
「おお、イフリートか!」
誠が思わず後ずさる。
「熱っ……ちょっと待って! 火消してくれ!」
れなが落ち着いた口調でノートを開く。
「お名前は?」
「バーンだ。」
「バーンさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
バーンは腕を組み、悩ましげにため息をつく。
「……俺、炎を制御するのが難しすぎて、どこに行っても雇われねぇんだ。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「炎を制御できない?」
「ああ。俺の周りは常に燃えてしまう。物を持つと焦げるし、部屋に入れば温度が上がる。まともな職場じゃ、火災の危険があるってことで、どこも雇ってくれねぇんだ。」
バーンは肩をすくめる。
「戦闘要員ならやれるが、もう無闇に暴れるのは飽きたんだ。この力を別の形で活かしたい。」
れなが頷く。
「つまり、炎を使うけど、周囲に悪影響を与えない仕事を探しているってことですね?」
「ああ。でも、そんな都合のいい仕事があるのか?」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
バーンが驚いたように顔を上げる。
「……何だ?」
「鍛冶職人になれ!」
バーンの炎が一瞬強く揺らぐ。
「鍛冶職人?」
れなが頷く。
「鍛冶の仕事は、高温の火を使って金属を加工するわ。普通の職人なら、炉を使って鉄を溶かすけど、バーンさんなら自分の炎だけで鍛造できるんじゃない?」
誠がさらに補足する。
「しかも、イフリートの炎は普通の火よりずっと高温だろ? だったら、最強の武器や装備を作れる伝説の鍛冶職人になれるぞ!」
バーンはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「……なるほど、それは面白いな。」
そして、力強く頷く。
「よし、俺は鍛冶職人になる!」
結果:イフリートの新たな道
数ヶ月後——
バーンは、伝説の鍛冶職人として名を馳せた。
彼が作る武器や防具は「イフリートの炎で鍛えられた最高傑作」と呼ばれ、多くの戦士たちが彼の工房を訪れるようになった。
「俺の炎は、破壊のためじゃなく、創造のためにある。それを教えてくれたお前たちに感謝するぜ。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び開かれる——。★




