第二十章:サイクロプスの一つ目の視界
カラン——
ドアが重々しく開いた。
「……仕事を探してるんだが。」
低く響く声とともに、巨大な影が相談所に差し込む。
入ってきたのは、サイクロプスだった。
圧倒的な体格と、一つ目の威圧感。大柄な体を持ちながらも、その表情にはどこか不安の色が浮かんでいる。
「おお、サイクロプスか!」
誠が腕を組みながら見上げる。
れながノートを開く。
「お名前は?」
「ガロンだ。」
「ガロンさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
ガロンは重いため息をつきながら、大きな手で頭をかく。
「……俺、一つ目だから細かい作業が苦手なんだ。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「細かい作業が苦手?」
「ああ。料理とか工芸とか、精密な仕事は全然ダメなんだよ。俺の手はデカすぎるし、視界が狭くて距離感も狂う。」
ガロンは申し訳なさそうに肩をすくめる。
「そのせいで、器用さが求められる仕事は全部クビになっちまった。……だが、俺にも活かせる力があるはずだ。」
れなが頷く。
「つまり、大雑把な作業でも活躍できる仕事を探しているってことですね?」
「ああ。力には自信がある。だが、それをどう活かせばいいか分からねぇ……。」
誠がニヤリと笑った。
「だったら、建築現場の重機オペレーターになれ!」
ガロンが驚いたように顔を上げる。
「重機オペレーター?」
れなが頷く。
「サイクロプスの力なら、巨大なクレーンやショベルカーを操作するのにぴったりよ。視界の問題も、最新の機械にはカメラがついてるからカバーできるし、細かい作業じゃなくてパワー系の仕事なら、ガロンさんの能力を最大限に活かせるわ。」
誠がさらに補足する。
「しかも、お前みたいなデカい奴が操作する重機なんて、めちゃくちゃ説得力があるぞ! 現場の作業員も、安心して任せられるに違いねぇ!」
ガロンはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「……それは、確かに俺に向いてるかもしれねぇな。」
そして、力強く拳を握る。
「よし、俺は重機オペレーターとして生きる!」
結果:サイクロプスの新たな道
数ヶ月後——
ガロンは、建築現場の重機オペレーターとして活躍することになった。
彼の操るクレーンは正確無比な動きを見せ、建設業界では「ワンアイ・オペレーター」として一目置かれる存在となった。
「一つ目だからって、細かい仕事ができないだけで終わるわけじゃない。俺には、俺のやれることがある。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び開かれる——。★




