第十八章:ヴァンパイアの夜の仕事探し
カラン——
ドアが静かに開いた。
「……夜しか活動できない者でも、仕事を紹介してくれるのか?」
低く響く、どこか気怠げな声。
室内に入ってきたのは、ヴァンパイアだった。漆黒のロングコートを翻し、鋭い赤い瞳が薄暗い室内を見渡す。夜の闇に溶け込むような雰囲気だが、その目にはわずかに焦りが見える。
「おお、ヴァンパイアまで来たか。」
誠が腕を組みながら興味深そうに見上げる。
れながノートを開く。
「お名前は?」
「ラドクリフだ。」
「ラドクリフさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
ラドクリフは、ため息混じりに椅子に腰を下ろす。
「……俺は、昼の仕事に向いていない。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「そりゃあ、ヴァンパイアだしな……?」
「ああ。そのせいで、まともな仕事が見つからない。昼間に働くのは無理だし、日の光を浴びると身体が弱る。夜しか活動できないとなると、選択肢が狭すぎるんだ。」
れなが頷く。
「つまり、夜に働ける仕事を探しているってことですね?」
「そういうことだ。」
誠がニヤリと笑った。
「だったら、ナイトクラブの経営者になれ!」
ラドクリフが眉をひそめる。
「ナイトクラブ?」
れなが頷く。
「そう。ヴァンパイアは夜にしか活動できないけど、それを逆手にとれば夜の世界を支配できる。ナイトクラブなら、ヴァンパイアのカリスマ性を活かせるし、夜に働ける環境としては最高じゃない?」
誠がさらに補足する。
「お前、どうせ吸血鬼ならめちゃくちゃモテるだろ? クールな雰囲気、貴族っぽい立ち振る舞い、あと不老の美貌! 完璧じゃねぇか!」
ラドクリフは少し考え込んだ後、ゆっくりと頷いた。
「……確かに、悪くない。」
そして、少し口元を歪める。
「俺のナイトクラブなら、きっと人間どもを魅了するだろう。」
結果:ヴァンパイアの新たな道
数ヶ月後——
ラドクリフは、ナイトクラブ「ブラッディムーン」を開業し、夜の街を彩るカリスマ経営者となった。
彼の店はヴァンパイアの持つ妖しい雰囲気と、高級感あふれるサービスで大人気となり、夜な夜な多くの人々が集まる名所となった。
「昼の世界に縛られる必要はなかった。俺には、俺の時間がある。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び開かれる——。




