第十七章:オークの平和への願い
カラン——
ドアが大きく開き、ずしんと重い足音が響いた。
「ここが……仕事を探してくれる場所か?」
入ってきたのは、全身を筋肉で覆われたオークだった。大柄な体に獰猛な顔つき。しかし、その目にはどこか迷いが宿っている。
「おぉ、オークか!」
誠が腕を組みながら見上げる。
れながノートを開く。
「お名前は?」
「グルドだ。」
「グルドさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
グルドは少しの間黙り込んでから、低く、ゆっくりと話し始めた。
「……戦うことに、もう疲れたんだ。」
誠とれなが顔を見合わせる。
「戦うことに?」
「ああ。オークは昔から戦闘民族として育てられる。俺も、ずっと戦いの中で生きてきた。強さこそがすべて、敵を倒すことこそが誇りだと教えられてきた……」
グルドは拳を握りしめる。
「だが……ある日、ふと考えた。本当に俺は戦い続けるしかないのか?」
れなが静かに頷く。
「つまり、戦わずに生きる道を探したいってことですね?」
グルドは深くうなずく。
「戦わなくても、俺の力を活かせる仕事があれば……それをやってみたい。」
誠がニヤリと笑った。
「あるじゃねぇか、ぴったりの仕事が!」
グルドが驚いたように顔を上げる。
「……何だ?」
「農業だ!」
グルドが目を丸くする。
「農業……?」
れなが頷く。
「オークは体が頑丈で力持ち。農作業にはぴったりだし、戦いじゃなくても、自分の手で何かを生み出すことができる。」
誠がさらに補足する。
「それに、お前の育てた野菜や作物を食べて、みんなが元気になる。戦うんじゃなくて、支える側になるってのも悪くねぇだろ?」
グルドはしばらく考え込んだ。そして、ゆっくりと頷いた。
「……それなら、やってみたい。」
そして、力強く拳を握る。
「俺は戦士じゃなく、農民として生きる!」
結果:オークの新たな道
数ヶ月後——
グルドは、「オークファーム」を開業し、農業を始めた。
彼の育てた野菜は栄養価が高く、力強い味わいで、瞬く間に評判となった。
「これは……本当にオークが作った野菜なのか!?」
「すげぇ、めちゃくちゃ美味い!」
「オークの力で育てられた野菜、なんだか食べると元気が出るな!」
グルドの作る「ガチムチ野菜」は大人気となり、多くの人々に愛される存在になった。
「俺は、戦わなくても生きていける。そして、俺の作ったもので、人が笑顔になる……それが、今の俺の誇りだ。」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び開かれる——。




