第十二章:ゴブリンの逆転劇
カラン——
ドアが勢いよく開いた。
「頼む! 俺をまともな仕事に就かせてくれ!」
飛び込んできたのは、ゴブリンだった。小柄な体に、鋭い目つき。肩で息をしながら、必死な表情で相談所のカウンターにしがみついている。
「お、おぉ……いきなり勢いすげぇな。」
誠が驚きながらゴブリンを見下ろす。
れなが冷静にノートを開く。
「お名前は?」
「ギズモだ。」
「ギズモさんですね。それで、本日はどんなご相談でしょう?」
ギズモは拳を握りしめ、怒りに満ちた表情で叫んだ。
「もう、雑魚モンスター扱いされるのに耐えられないんだよ!!」
誠とれなは顔を見合わせる。
「雑魚モンスター扱い……?」
「そうだ! 俺たちゴブリンは、どこに行ってもすぐ倒されるだけの存在なんだ! 勇者がレベルを上げるために狩られ、ダンジョンの最初の壁として設定される……俺はもう、そんな人生ごめんなんだ!」
ギズモは悔しそうに拳を震わせる。
「俺だって頭を使って戦ってきたんだ! 武器を工夫したり、トラップを仕掛けたり、奇襲を考えたり……でも、結局力でねじ伏せられる。だったら、戦うことから足を洗って、俺の知恵を活かせる仕事に就きたいんだよ!」
れながペンを止めた。
「……つまり、ギズモさんは頭を使う仕事がしたいってことですね?」
「そうだ!」
誠がニヤリと笑った。
「だったら、発明家になれ!」
ギズモが目を見開く。
「発明家……?」
「お前、戦いの中で色々工夫してたんだろ? それってつまり、道具を開発する才能があるってことじゃねぇか。」
れながさらに補足する。
「最近、小型ガジェットや新しい技術を開発できるエンジニアが不足してるって話を聞いたわ。ギズモさんみたいな発想力のある人なら、革新的なアイデアを生み出せるかもしれない。」
ギズモはしばらく黙っていたが、やがて目を輝かせた。
「……確かに、俺なら面白いものを作れるかもしれねぇ!」
そして、強く頷いた。
「やってみる!!」
結果:ゴブリンの新たな道
数ヶ月後——
ギズモは、天才発明家として名を馳せることとなった。
彼が設立した技術開発会社「ゴブリン・テック」は、小型ガジェットの開発で注目を浴び、あらゆる業界から引っ張りだこになった。
「俺はもう雑魚モンスターじゃない。俺の発明で世界を変えてやる!」
届いた手紙には、そんな言葉が書かれていた。
「さて、次はどんなモンスターが来るかな?」
相談所のドアが、再び開かれる——。




