初めて会ったその日から・・・
君は僕のことを見ていた。その時はまだ分からなかった。君は僕のことが…。
入学式
咲空は僕、白根隼人の隣の席になった。
「よろしくね!」
咲空は優しくそう言った。僕は家に帰ってお父さんとお母さんに言った。すると二人ともすごく驚いていた。この時はよくわかっていなかったが僕たちは遠い親戚だったのだ。次の日緊張しながらも8時に家を出ると咲空が家の前にいた。咲空は僕にこう言った。
「私たち親戚だったんだね!」
僕はわかっていなかったが「うん…!」と適当に言った。咲空は「これからは一緒に行こうよ!」というなり僕の手を引っ張って歩き出した。それからというものの僕たちは毎日2人で一緒に登校するようになった。だが小学校4年生になった僕たちは2人で行くことはなくなってしまった。まあ理由としては恥ずかしかったのだろう。そんな時、学校でクラス替え席替えがあった。これであいつと違うクラスじゃなくなって親からいじられなくなるぞ!そう僕は思い、軽い気持ちでくじを引いた。が… なんと僕たちは同じクラスで隣の席という最悪の結果になってしまったのだ。家に帰って親に言うと「やっぱり。」と予想していたかのように言った。まあ実際予想していたのだが。僕はため息をつくと親は「何?めっちゃ良かったじゃん?」といった。まったくよくないと僕は言いたかったがとりあえず恥ずかしかったので急いで部屋に駆け込んだ。そして、それから2年後、僕たちは、6年生になった。6年生になると咲空はよく男子から
告白されるようになった。だがきみは「ごめん!実は好きな人がいるんだ…。」と言ってすべて断った。僕はその好きな人が気になったがそこまで興味がなかったので時間がたつにつれ忘れていった。
修学旅行
やはり6年生というと修学旅行だ。修学旅行ではいつも通り同じ班になった。僕は少し不本意だったがまあいい。修学旅行当日みんながバスを待つためワイワイしている中僕は1人で近くにあった木の下で本を読んでいた。僕は小さいころから本を読むのが好きだった。少し笑顔で本を読んでいると、咲空が近寄ってきて「こんな所で読書?」とでもいうように僕に近寄ってきた。そして僕の手を引っ張って「バス来たから行こう!」と笑顔で言った。バスに乗ると先生からの話が始まった。みんな早くしろよー。というような顔で聞いていた。2分後ようやく話が終わってバスが出発した。バスの中はとても快適だった。いつもうるさい男子も今日は静かだ。後で知ったことだがこの前日、先生が男子にめちゃくちゃ注意したおかげであった。ふと気が付くと僕はもう寝ていた。
1時間半ほどたっただろうか僕は起きて外を見るとそこはもうきれいな自然が広がる日光だった。バスが停留所に止まった。外に出るときれいな滝がすぐそこを流れていた。まずは班で滝を見てから森の中に入っていく。今回はそういうルートで行く予定だ。今回の修学旅行の班員は咲空と僕と三笠さんと佐藤咲空だ。咲空は三笠さんと仲が良くいつも近くにいる。僕と佐藤咲空は女子二人の後ろを歩くことにしたのだが…。佐藤咲空はどんどん先に歩いて行ってしまって女子二人に、絡みに行ってしまった。女子は苦笑いだった。僕はなぜか少しイラっとした。森のなかに入りぼくは三笠さんと歩くことにした。三笠さんはなぜか緊張しているように見えた。そして次の瞬間僕は「は?」と言ってしまいそうだった。三笠さんが僕の手をぎゅっと握ってきたのだ。僕はついに「は?」と言ってしまった。三笠さんは「実はずっと好きだったの。」といった。こんなところで告白かよ!と僕は思った。僕は少し戸惑ったが僕の回答は決まっていた。 「ごめん。」そう僕は言った。三笠さんは「そうだよね。だめだよね。ごめん。もう大丈夫。」そう言って僕の手を離した。その後佐藤は気が済んだのか後ろに戻ってきた。すると佐藤は「あの二人彼氏とかいるのかな?」」とにやにやしながら言ってきた。僕は「さあね。僕に聞くのが間違えだと思うけど。」といやな感じに言った。歩き出してから数時間たった。周りは草原に囲まれている。そうここは戦場ヶ原だ。もともと戦場ヶ原というのは昔、男体山の神と赤城山の神が美しい中禅寺湖を自分の領土にしようと、大蛇と大ムカデに姿を変え激しい争奪戦を繰り広げた。がなかなか決着がつかないので男体山の神は弓の名人である自分の子孫の猿麻呂にムカデの目を撃ち抜かせ勝ったという伝説が残る地なのだ。そんな未来に残す遺産なのにゴミがそこら中に落ちている。まあ僕には関係のないことなのだが…。と思ったのだが咲空が「こんなところにごみが…。よしみんなでごみ拾いをするよ!」といった。僕は仕方なくゴミ拾いをやり始めた。やっときれいにすることができたのでご飯にしようと僕が言った。すると咲空は「そうだね!」と言って敷物を敷き始めた。咲空のお弁当の中身はとても女子っぽい中身だった。佐藤は炭水化物&炭水化物の焼きそばパンと炭水化物のご飯と炭水化物弁当だ。僕はそんなの絶対太るだろ。と思ったが佐藤の体はそんなに太くはなくシュッとしている。多分毎日サッカーのクラブに、通っているからだろう。まあ顔はもてなそうな顔だが…。そして僕の手を握ってきた三笠さんのお弁当は野菜、野菜、野菜と野菜尽くし弁当だ。僕は低カロリーでバランスの取れるような食事だ。お母さんに何でもいいというといつもこうなる。お母さんは僕のことを心配しすぎなのだ。いわゆる心配性なのだ。僕はそんなK戸を考えながらお弁当を食べ始めた。食べ始めて三十分程で食べ終わり出発すると佐藤が「じゃんけんして男女ペアで行動しようぜー。」なんて馬鹿げたことを言った。僕はもちろん反対だった。面倒くさいし。だが三笠さんと咲空はやる気いっぱいだった。仕方なくじゃんけんをすると佐藤と三笠さんペアということは!僕と咲空ペアだ…。やっぱりいつものペアだ。まあもう慣れたからいいのだが…。僕たちはまた歩き始めることにした。すると佐藤ペアはなんかこそこそ前でしゃべっていた。すると急に二人はぐんぐんスピードを上げてどこか行ってしまった。「おい待てよ!おまえら迷子になるぞ!」と僕は言ったがあいつらは耳も傾けず遠くへ行ってしまった。
「行っちゃったね…」そう咲空が言った。ぼくは「もういいよ。勝手にすれば」と面倒くさそうな顔で言うと「そうだね…。」と咲空は言った。数分くらい咲空と話しながら歩いていると前に二人が見えてきた。そんなに早歩きで歩いて来てしまったのか?と僕は思った。すると佐藤が「おーいこっち来いよー。」と手を振っている。行ってみるとそこには大きな蔵があった。すると佐藤が「この中、面白そうだから入ってみようぜー。」といった。僕はなんかやばそうだし少し怖気ついたのでやめといたほうが良いと思ったが咲空が「賛成―。」といったのでしぶしぶ入ることにした。中に入る時、佐藤が「お前ら先入れよー。」といった。先に入るとそこには年季の入った家具やら何やらが、いっぱいあった。「すごい…。」と咲空が言うと僕もつい「すごい…」と言ってしまった。その瞬間ばたん!と大きな音が鳴った。僕が「なんだ!」と言って後ろを向くととてつもなく重たい重工扉が閉まっていた。すぐに僕が扉を開けようとしたが一歩遅くもうカギが閉められていた。完全に閉じ込められたのだ。咲空が急いでドアに駆け寄った。だがもう遅くカギが閉まっていた。
「あいつら!」そう僕が言うと咲空は不安そうな目で僕の顔を見た。「いや。大丈夫。きっと助けが来るよ。」そう咲空を励ますように言った。「うん。きっと大丈夫だよね。」そう咲空は言った。それにしてもあいつらいかれてやがる。こんなことしたらすぐ先生にばれて叱られるのに。ともかく今は女子が居るんだ。とにかく守らないと。クマが出るとか言っていたけど大丈夫かな?って僕がこんな不安そうな顔していたら咲空をもっと不安にさせちゃうじゃないか。必要なものは…食料・水分・体を温めるもの。食料は確か非常用にってお母さんが入れてくれた非常食がリュックの中に入っていたはず…。あった!中も大丈夫そうだ。とりあえず食料の確保はできた。次は水分の確保だがこれも問題ない。水筒に水が入っているから。あとは体を温めるもの…。このコートしかないな。とりあえず咲空にこれは渡しておいて僕はその辺の新聞紙かなんかで温まろう。第一優先は僕じゃなくて咲空だからな。僕は咲空にコートをかけた。「え?」咲空は困った顔をした。「これ寒くならないようにかけて。」 「いやでも…」そういったが僕が首を振ったら「ありがとう」と、微笑んでいった。とりあえず全ての準備は完了した。まあどうせすぐに先生たちが来るだろう。そう思っていたのだが…。一時間、二時間、三時間…。と時間はどんどん過ぎていく。さすがに咲空も泣きそうな顔になってきている。そろそろ限界かもしれない。仕方ない。秘密の道具を使うか。テレれれっててーん!トランプーー!これで何とか、この張り詰めた雰囲気は解けるはず…。「ねえ。トランプしようよ。」そう僕が優しく言うと咲空はとてもうれしそうな、安心しているようなそんな顔をした「うん!」そう咲空は大きくうなずいた。ババ抜き、七並べ、じじ抜き、いろんなトランプ遊びをしたというのにいまだに助けが来ない。もう夜になってしまった。まさかもう夜だから森に入れないのか?そうだとしたら非常にまずいぞ。明日まで僕たちの精神は持つのか?いや大丈夫。必ず明日までには助けが来るはずだ。それまで何とか2人で持ちこたえないと。「誰も来ないね。」ふと咲空が口を開いた。僕は「うん。だけどきっと明日には助けが来るよ。」そういった。そう、きっと大丈夫だ。きっと…。そうこう考えているうちに僕たちはもう寝ていた。朝になったのだろうか外がまぶしい。ふと横を見ると咲空がいた。僕は着付くと「よかった。」と言っていた。
ガタン!
ドアが大きな音を鳴らした。熊か?僕は戦うように構えた。次の瞬間聞きなれた声が聞こえた。「安心しろ!今開けてやるからな!」この声は先生だ!僕と咲空は安心した、助かったと思った。外に出るとそこには今にも泣きそうな目をしたあいつら二人がいた。よくも僕たちを。と言いたかったがきっと先生にすごく怒られたのだろう。今回は許してやるか。すると先生が「ほら二人とも謝りなさい!」といった。すると二人は「ごめんなさい。」と泣きそうな声で謝った。すると咲空が「何か事情があったんだよね。」と優しい声で言った。いやいや僕たちにこいつら何をしたと思っているの!?と言いたかったがガマンガマン。まあ僕たちに害はなかったから別にいいんだが…。そんなこんなで波乱の海を巻き起こした修学旅行は終了した。
卒業式
ついに卒業の時が来た。この六年間いろんなことがあった。でもいつも隣にいたのは咲空だったが…。やはりこの六年間で一番心に残っているのは修学旅行だ。そんなことを考えているうちに僕の名前が呼ばれた。僕たちは卒業するのだ。このいろいろなおもいでの詰まった学校を。僕は力強く「はい!」と大きな声で返事をした。
この小説の記念すべき一巻を読んでくださりありがとうございます。次は来週ごろに投稿したいと思っています。これからも少しづつではありますが作品を出していきますので何卒よろしくお願いいたします。