表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

二首目

2 あらたまの春にしなれはふる雪の白きを見ても花そまたるゝ


 木原の解釈

春になり、降ってくる雪の白さを見ても、花(桜)が待たれることだ。


 この日は、まさしく凍えるような寒さの中で目が覚めた。この和歌に出会ったときに、不思議に思ったことがある。どうして、冬に降る雪と、春に咲く桜を一つの和歌の中に詠み込んだのか。そのことを、宣長様に尋ねてみたことがある。すると宣長様は、「桜の花を遠くから眺めると、何色に見えるか」と問われた。その時はたと思う。近づけば桃色の花びらが、遠く野山に広がる桜花を俯瞰して見ると、それはまるで雪が降っているように見えるではないか、と。

 「花」とは、「桜」のことを指すとは、古くは平安時代頃に遡る。それ以前は、文献によると「梅」を指すことも多かったようだ。宣長様の和歌の「花」が「桜花」を指すことは言うまでもない。それにしても、冬の代名詞である「雪」と、春の代名詞である「桜」を一つの和歌に詠み込まれるとは、宣長様の想像力、そして何より季節がいつであっても、桜花のことを思い続けられる姿に、感服せざるを得ない。それにしても、ここ紀州藩と私の故郷である肥前の国とは、気候も違うのだろう。やはり、現地に行ってみなければ、その時の宣長様の思いはしっかりと知ることはできないのだと、悟った今日この頃である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ