真夏の夜のかげろう
大学生二年生の俺は精神状態が不安定な同級生の彼女と半同棲の生活を送っていた。
友達から羨まれる程の美人な彼女だが、毎日のように癇癪を起こし、少しずつ苛つきを覚え始め最近ではいつ別れようかとその事ばかり考えていた。
前期納会が終わった深夜に俺は家に帰ると、彼女は何も言わなかった。
いつなら夜遅くに帰ると取り乱して物を投げつけてくるが今日は違った。文句一つ言わずに彼女はすぐに部屋へ戻って寝てしまった。
珍しいこともあるもんだと俺はシャワーを浴びて眠りについた。
次の日の朝、彼女は浴室で手首を切って死んでいた。