第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品
いい感じの棒のコントロールを阻む闇の力
ゆいこは、誰にも名前を覚えてもらったことが無い小さな虫も苦手な中学2年生。
校庭の隅っこの木陰で独り昼休みを過ごしていた。
そよ風が長い黒髪を優しく撫でる感じがしたかと思って、左手で、そっと髪の乱れを直した。
コソコソ
左手がこそばゆい。
ゆっくり左手を目の前に下ろした。
大きな大きな色とりどりの鮮やかな蜘蛛が、左手首に乗っていた。
咄嗟に右手で落ちていた『イイ感じの棒』を握りしめ!
左手首目掛けて振りおろそうとしたが、
イイ感じの棒のコントロールを阻む闇の力が左手首に宿っていた。