表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢を見て僕は。  作者: U-ki
1/3

0 夢


僕には夢がある。

PAエンジニアになって有名なミュージシャンと一緒に仕事をして活躍することだ。


いつからこんなにハッキリとした目標ができたのだろうかと考えながら、僕は目の前の机の上に置かれた一枚の紙を見つめる。その紙にはでかでかと、「進路希望調査」と書かれている。


「中田はどうすんの?」

とこちらを振り返り話かけてきたのは同じクラスの仲の良い男友達、平澤だった。


「何が?」僕は意味も無くとぼけてみせる。

「いや、進路希望に決まってるだろ!進学?就職?」

「あー、進学しようと思ってるー」

「そうなのか!実は俺もなんだ。じゃあ以外とこのクラスは進学希望のやつ多いのかもな、他にも何人かいたし。底辺工業高校のくせになー」


僕が通っている高校は工業高校で就職率が高いのが強みなのだが、どうやらこのクラスは進学するやつもけっこういるらしい。


そんな不毛な会話をしながら、僕は思っていた。

今抱いている夢が一時の気の迷いではないのかと。

確かに、PAエンジニアになりたいという気持ちは日に日に強くなっているとはいえ、ここ数ヶ月の間で意識し始めたことだ。


様々なこと考えているうちに、そろそろこの紙に記入しないといけない時間になっていた。


梅雨も明けた高校2年生の夏、まだ焦る時期ではないが、この嫌な暑さが早く決めろと言っているように感じた。


そして僕は、華やかな世界を夢見ながら、その紙の「進学」と書かれた方に丸印を記入した。


暑さで焦ったわけではないからな、と自分自身に言い聞かせながら。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ