リリスの日常。
「リリス、ステータスはどうなった?」
アサギが聞いてくる。
僕は今のステータスをアサギに伝える。
「うんと、スキルは、人造霊魂レベル2 鉈剣術レベル3 駆け足レベル1 忍び足レベル2 テイムレベル2 錬金術レベル1 歌唱魔纒レベル1 だよ!」
「そうか、ちゃんと頑張っているみたいだな。これ、この前ムラで交換してきた鉈だ。今使っているもの、もう、ぼろぼろだろ。」
そう言って、アサギは、ぼろ布に包まれたものを僕に差し出す。
「わーっ。アサギ大好き!」
僕は両手で受けとると、早速ぼろ布をめくる。
中からは、鈍色に光る刃をした鉈が出てきた。
僕は早速刃を上に向け、顔を近づけて刃の状態を確認する。
「アサギ、すごいね、これ!錆びてないし、ほとんど刃こぼれしてない。」
僕は、そっと指先を刃に滑らす。ほとんど引っ掛かりもない。
そのまま左手に構える。
縦振り、横振りと、一通り振り回す。
「重心は今のより少し刃先にあるけど、こっちの方が握りが持ちやすい!素敵な鉈をありがとう!アサギ。」
数歩下がって僕の様子を見ていたアサギは笑顔で頷く。
「次にシロ姉さんが帰ってきたら、いよいよリリスも外に出ることになると思う。それまでに、慣らしときなよ。」
「うん!」
僕は大きな声でお返事すると、うきうきと部屋を出る。
まだ、弟のお世話が途中だったので、一番下の部屋まで階段を下りていく。
うきうきしすぎで、ちょっと足を踏み外しかける。
「あ、あぶなかったー!」
そのまま弟の入った白いの、の所まで来る。
「ジャーン!おねいちゃんね、アサギに新しい鉈を貰ったんだよ!」
僕は先ほどの感動をひとしきり弟に自慢する。
満足するまでお話しすると途中だったお世話の続きをする。
「えーと、どこまでやってたっけ。」
僕は一つ一つ指差し確認していく。
「右側のマナポーションは満タン、オーケー。」
「左側のスタミナポーションも満タン、オーケー。」
「中央の触媒、汚れてない。オーケー」
「白いのの、模様の隙間のホコリ、あっここだ。」
僕はお掃除が途中だったことを思い出す。羽ばたきを掃除道具入れから取ってくる。
慎重に慎重に、羽ばたきで、隙間からホコリを払っていく。
ホコリ一つ残さないように、目を皿のようにして、ひたすらに、隙間に沿って羽ばたきを動かす。
「よしっ、かんぺき!」
チリ一つ、ホコリ一つなく、ピカピカになるまでお掃除がが終わる。
「あとは、お歌を歌ってあげるからね。」
そう言うと、僕はそっと両手を白いのに添え、額をつけ、歌を歌い始める。
体内をめぐる魔力の流れを解放し、歌に導かれるまま、魔力を流す。
もう、何百回と歌っている歌は、体に染み付き、無意識のうちに口からこぼれ出す。
ひたすら集中し、気がついていた時にはもう、歌も終盤にさしかかっていた。
そのまま歌い上げる。
「よし、今日のお世話、終わりー。遊びに行ってくるねー」
僕は弟に挨拶をして部屋を出る。
アサギに遊びに行くことを伝えるため、部屋を覗く。
どうやら寝ちゃってるみたい。
仕方ないので、居間で待つ。
その間に、今日の分のマナポーションを飲んでおく。
「暇だなー」
もう一度アサギの部屋を覗く。
やっぱり寝てる。
「お外、出るわけじゃないから、いいよね?」
僕はこっそりおうちを出ることにする。
念のため、アサギに貰ったばかりの鉈を差し、腰にはいくつかポーション等を入れた拡張ポシェットをつける。
帽子をかぶり、手袋、マントを着けて、準備万端。
そっとお家の扉を開けて、洞窟に出る。
お家の近くには地底湖があって、そこにお友達のネズミさん達が住んでいるので遊びに向かう。
最初の分かれ道。ここを左に曲がってずっと行くと外何だって。
だから、一人では、絶対にいっちゃダメ。
右に曲がる。
通いなれた道をひょいひょい進んでいくと、湖が見えてきた。




