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とある薬師の受難  作者: 散歩道
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どうやら数百年後の世界に来てしまったようです。

前回更新からだいぶお待たせしました。

前話までの誤字脱字も訂正しましたのでよろしくお願いします。

「ジンタ、朝じゃぞー?いい加減に起きんか。」


「ぉおお。悪い寝過ごした。

おっさん、顔を洗いたいんだが井戸は何処だ?」


寝ぼけながら目をこするもどうも意識がハッキリしない。


「すまんのぉ。村の井戸は枯れてしまって。

そこの水瓶に入っておるから使ってくれ。」


「そっか、悪いな。」


そう言いながら水瓶を除くとお世辞にも綺麗とは言いがたい水が入っていた。

うん。これは無理だな。


アイテムBOXから蒸留水を取り出し顔を洗う。


「おっさん、水ってみんなどうしてるんだ?」


「あぁ、村から少し離れた所に池があってな

その池の水を汲んで使っておるんじゃよ。」


「そうか、川は少し距離があるもんなぁ。」


しかし、ここでふと疑問が浮かぶ。

ここから徒歩で三日ほどの始まりの街なんかは街中に水路があり

この辺りは水事情はなんら問題ないはずだ・・・。


「なぁおっさん。ここから三日位先の街には水路があるって聞いたが

最近雨でも少ないのか?」


「お主一体何時の話をしておるんじゃ?

その街に水路があったのはもう200年ほど昔の話じゃぞ?」


「はっ?え?200年・・・???」


何かがおかしい。俺が知ってる世界との食い違いがあからさま過ぎる。

冒険者ならアイテムボックスなんて当たり前のように持っていたし

簡単な薬なら駆け出しの冒険者でも作れたはずだ・・・。

一体何が起きたんだ・・・・。


「おっさん、俺も頭が混乱して話が全くわからん。

昔の話を聞かせてくれないか?」


「あ、昔話なら私がしますよ!」


「おい、どっから沸いてきた。」


「ヒドイ!年頃の娘にその扱いは酷すぎるんじゃないかしら?」


「で、昔話ってどんなだ?」


「うぅぅ。もう良いです・・・。」


「ジンタよ、あんまり虐めてくれるなよ。

これでも、良くやってくれてるんじゃよ?」


「おじさんも微妙にヒドイ気がする・・・・。」


「「・・・・・。」」


「まずはですね、昔々世界には二つの世界があり

一つは私達の人間の住む世界。もう一つは魔族達の住む魔界。

ある時、魔王が私達の世界に糧を求めて乗り込んできたのです。


その時この世界の女神様が悲しみから涙を一粒落とされたのです。

女神様からすれば、人間も魔族も同じ自分の子供

その子供同士は争うことがとても悲しかったのです。


そして、その涙が落ちた所にあった老木が突然大きく大きく育ち世界樹となるのです。

老木だった頃の世界樹には根元には大きな穴が開いていたの。

その時の穴は何処かの世界に繫がっていてそこから多種多様な者達がこの世界に訪れる様になりました。


その冒険者達の活躍により魔族は元居た世界に押し戻されそれと同時に役目を終えた世界樹も徐々に徐々に小さくなり元の老木に戻ってしまいました。」


「これが私達に伝わってる今の世界の成り立ちよ?」


「そうか、世界樹が枯れてしまったのか・・・・。」


あれっ?そう言えば世界樹って錬金術の素材で使ったような・・・・。

アイテムBOXを確認すると、世界樹の種、若葉、枝が大量に確認できた・・・。

これって持ってる事がバレたら俺マズイんじゃね?


「俺の記憶が正しければ、世界樹を守っていた守人達が居た様な・・・・。」


「ジンタさん、変なところで詳しくない?

確かに居たと言う話は聞いているけど

元々隠れ里に住んでいたらしく、今は場所も不明だそうですよ?」


「ふむ。そうか・・・。」


たしか、隠れ里の入り口付近に転移出来るルーンがあったはず・・・。

これは、イベントで彼らの願いを聞き届けると言うクエストをこなすと貰える物だった。


「ちょっと狩りでも行って来るよ。」


「どれ、ワシも行こうかのぉ。」


「じゃぁ、おっさん。別行動で多く取ってきた方が勝ちね。」


「狩人であるワシに勝負を挑むか。よし受けようぞ。」


「二人ともやる気だねー。これは晩御飯に期待しなきゃね。」


「「晩飯までたかる気か!」」


「えへへっ。」


「じゃぁ、よーいどーん!!」


よし、これで一人で行動しても問題ないぞ。

村から少し離れたとこでルーンを起動する。

今でも効果があるかどうかは不明だがやってみるしかない。


数瞬遅れて視界が歪む。

どうやら転移が始まったらしい。


「ふうっ。どうやら無事に着いたようだな。

イベント期間以外は徒歩でここに来ようとすると100%たどり着けないんだよな。

迷子になって最後には森の入り口の戻ってしまうと言うかなり鬱になる嫌がらせトラップだ。」


だが、ここで安心してはいけない。

ルーンと一緒に貰った首飾りを身に着ける。

これは守人に認められた者と言う証だ。


目的の木に手をつけると木と木の間の何も無いはずの空間が靄がかかったように揺らめく。


「毎度この瞬間が嫌なんだよなー。」


独り言を呟きながら靄の中に入っていく。

すると何度も経験した、上下左右全く感覚の無くなる空間に入る。


すると首飾りから光が飛びある一点を指す。

この光は首飾りをつけた者にしか見えず、仲間すら見えなくなるのだ。

光を導にして歩く?歩いているのかすら解らないがその一点が徐々に近づく。


目の前まで来たところで言葉を紡ぐ。


「我は守人に認められし者ジンタなり!」


すると光る点から光がほとばしり視界を埋め尽くす。


視界から光の奔流が消え色が戻るとどうだろう

記憶の中にある緑溢れるエルフの里ではなく、

目の前には枯れ果てた泉緑を失い枯れた古木の林、それに数人のエルフが居るだけだった・・・。


「む、何奴!侵入者か!」


若いエルフが叫ぶとそれを年老いたエルフが止める。


「ここは女神さまより賜った場所。

魔王ですらやすやすとは侵入できぬ場所だ。」


「お主どこかで見た事があるような・・・・。」


「長老!もう呆けたのかよ!

この村に何百年外からの客人なんて来てないだろ。」


「お主がその首に下げておる、その首飾り・・・・。

もしや、おぬしの名前はジンタと言う名前ではないのかのぉ?」


「おい、爺さんなんで俺の名前を・・・。」


「ほっほっほ。ジンタ兄ちゃんワシを忘れたかのぉ?」


「おいおい、爺さんににいちゃんってよば・・・・

あれ?お前キースか?」


「てめぇ、長老の名前を気安く呼ぶんじゃねぇよ!」


「って事はやっぱりキースか!」


「懐かしいのぉ。ジンタにいちゃん。この傷を覚えとるかのぉ?」


そういい、長老=キースはローブの首筋をめくる。

そこには大きな三本の爪跡が痛々しく残る。


「あぁ、覚えてるよ。

駆け出しの頃の俺が作った薬じゃ血を止めるだけで精一杯だったもなぁ。

大きな傷が残っちまって本当に申し訳無い。」


「いやいや、そのお陰でワシはこうして生きていられるんじゃ。」


そう、守人のクエストとはこのキースが迷子になったから

見つけて連れて帰ってきて欲しいという至極単純なものだった。

報酬もここの来訪が無制限になると言うだけのものだった。


「キース、世界樹に呼ばれた気がして里を訪れてみたが

この有様は一体どういう事なんだ?」


「あんちゃん・・・・。

見ての通り、世界樹が枯れてしまい、辺り一体所か世界中のマナが希薄になり

泉も枯れてしまいワシら里の物も最低限の人数を残して休眠状態で命を永らえるのが現状の精一杯なんじゃよ・・・。」


「そうか・・・・。

世界樹が枯れ低待った原因に関しては俺にもわからねぇが

俺は俺の出来る事をしようと思う。

だが、その前に、今のキースに兄ちゃんと呼ばれるのは違和感が半端無いんだが・・・・。」


「そう言われればそうじゃのぉ。

あれから長い年月を過ぎたはずなのにあんちゃんは全く変わらんしのぉ。

これからはジンタ殿と呼ばせてもらうとするかのぉ」


「あぁ、なんかこそばゆいがそんなとこだろう。」


こうして、エルフの隠れ里についた俺は

以前くじ引きで大量に手に入れたアレを使うことにした。

此方に関しては不定期更新となりますが時間があれば更新していきたいと思います。

楽しみにされてる方には申し訳ありませんが気長にお待ちください。

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