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とある薬師の受難  作者: 散歩道
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大問題発生!?

「主殿。これでは全然足りませんよ?」


「おいぃぃぃ!街一年分は賄える量は遥かに超えて作ったはずなのに何で全然足りねぇんだ!!」


五部一達の様子見も終わり、何とか錬金釜を掃除し終え自分の家に戻ってきた俺に課せられた物は

山積みにされた錬金素材の山である。


「この程度の量では二月と持ちませんよ?」


「何でだ!尋常じゃない量なのにおかしいだろ!!」


「主殿、ここ最近で何か変わった事をお忘れですか?」


「ん~?変わった事と言えば、冒険者ギルドが多少マシになって商業ギルドも首が挿げ変わってから特に問題が無い筈だと聞いているが?」


「主殿はもうお忘れですか?貴方様自身が蒔いた種ですよ?」


「俺がやった事・・・・。」


肝心な魔王バカの事を忘れていた。


「あの魔王のバカがまた何かやらかしたのか・・・・?」


「やらかすなんて㌧でもない。主殿の提案した取引の通りの素材を毎回集めてきますよ?」


「それのどこが問題なんだ?」


「魔王様本人も、量が量だけに以前のように毎日朝から晩までとは居座れなくなったものの


平均で月に二度ほどおいでになられます。


魔王様の分だけであればまだ良いのですが、魔界の御婦人方もどこから聞きつけてきたのか


貴重な素材を対価に同じ物を要求される様になったのです。


しかしながら、断る理由が見当たらず、挙句に魔王様のみ贔屓するなと激怒される始末。


特に竜王様の奥方様なんかは竜王様の牙やら鱗やらを持って来られるのですよ?


受け取らねばその場で捨てると仰る始末。


生きたまま爪や牙そして鱗を剥がされる竜王様の気持ちを考えると断る事など到底不可能です。


(本人様は奥方様がその後の献身的な介護目当てに大喜びなのはナイショですが。)」


「ぐぅ、どこの世の中も嫁には逆らえねぇのか・・・。」


「魔王様お召し上がりになる分に、奥方様方の所望される分はほぼ城の在庫すべてでございます。


主殿達の分はそのつど追加で作る始末です。」


「え?はああぁぁぁぁぁぁ!!!??


うちで備蓄する量って一応城の消費の半年分の筈だが?どうしてそれが一日で無くなるんだ!」


「えぇ、毎度の事なのですが魔界中を走破されていらっしゃる様です。


こちらに来られる時には魔力や体力の残量もほぼ枯渇寸前でゾンビの様な状態で来られるのです。


ですが、食欲だけは尋常ではなく失った物全てを取り戻すかの如く貪り飲み込まれます。


そして、粗方食べつくす頃には以前にも増した魔力、体力で魔界へと戻っていかれるのですよ。


その為、その後一週間はメイド総出で甘味などの備蓄に追われております。


しかしながら、水に関しては問題無いとしても植物の栄養剤や成長促進剤などの備蓄がすでに底を尽きかけているのですよ。


無理にとり続ければ枯れてしまうのは明白ですので地下空間の拡張とその他薬剤の生産を早急に

寝る暇も惜しんで作ってください。」


「んむむむ。甘味は確かにうまいのだがそんな食い方しても絶対に美味くないんだがなぁ。


その辺に関しては次に魔王にあった時に話すとするか。


地下空間はすぐにでも広げるが三倍程度で良いか?


あんまり広げても、管理が大変だろう?


なんなら、五部一達の村から応援でも連れて来ると良い。


あそこの奴等なら農作業も得意なモール族も居たしな。」


「モール族ですか、彼らならかなりの戦力になるでしょう。さっそく行って話しを付けて来ましょう。


主殿は自分の役割をサボらずお願いしますね。」


去り際に返事もする間も無いタイミングで釘を刺されてしまったため

仕方なく、作業に没頭する。



っとここまでが、つい4ヶ月程前の話である。


「あの魔王バカが姿を見せなくなって三ヶ月が過ぎさすがの俺たちも心配になったため魔界の魔王城へと脚を運んだ訳だが、魔界中のどこを探しても魔王が居ないとはどう言う事だ?」


「えぇ、各所それぞれの族長の納める所に手土産を持たせて話を聞きに行かせた所


三ヶ月前までは確かに頻繁に訪れていたと聞きます。


しかし、ある日を境に突然姿が見えなくなったと何処の族長達も同じ意見でした。」


「ふむ。こりゃ、あの魔王に何かあったのか・・・?


いや、しかしアイツの強さを考えるとそう簡単にやられるような奴では・・・・。」


「主どの・・・。もしかしたらどこぞのダンジョンで迷子になっているのでは・・・?」


「あ!?あいつ新たな素材を探しに出現したばかりのダンジョンに潜りやがったのか!?」


「可能性は高いですね・・・。」


「安定したダンジョンなら良いが、最近の活発化した魔界の影響で新たに出来たダンジョンだと


中身もコロコロ変動するし、あいつの頭じゃとりあえず潜れば良いという考えでコア目指して突き進んでねぇか?」


「途中で力尽きてなければ良いのですが・・・・。


お持ち帰りになった食料などを考えてもさすがにそろそろ限界が近いと思うのです。


ダンジョンにて魔王様が餓死なんて事になれば冗談では済みませんよ?」


「あぁ、マジでメンドクサイ。


しかたねぇから、目ぼしい所を虱潰しに探していくか・・・。」


それから、約一月の時間がながれいよいよと言う所でそれらしい痕跡を見つけることが出来た俺たち一向。



「ここが最後か・・・。」


「えぇ、ダンジョンというより大穴ですね。」


「魔王の魔力の影響で彼方此方の地形が様変わりしてるあたりが恐ろしいが・・・・。」


「ここの地下深くからかなりの魔力を感じます。」


「あぁ、魔力だけではなく恐ろしい数の魔物達の気配もするな・・・。」


「でも、行かれるんですよね?」


「このまま放置していい話じゃねぇぞ?」


「そう言う割には、顔は嫌そうな顔をしてませんよ?」


「そうか?正直無事に帰ってこれる保障は無いんだぞ?」


「ほら、昔を思い出すじゃないですか?」


「あぁ、セバス達と出会った最初の頃か・・・。」


そう、なにも俺達は最初から強かった訳では無い。


劣化竜すらまともに倒せない頃、魔物の群れに追われたあの時。


自分達の力量を見誤りダンジョンで全滅しかけた昔を思い出す。


「だから良いんじゃねぇか。見たこともねぇ奴、逃げ出したくなるよな奴。


活発化した魔界でここに辿り着くまでにだって新種の魔物をいくらでも見たじゃねぇか。


今更だが挑戦者ってのも悪くねぇだろ・・・?」


「そうですねぇ。主殿が行くのにお留守番はもう御免ですね。」


「あぁ、本来留守番してる筈の奴らも来ちまったみたいだしな・・・?」


「おやおや、なかなかの悪ガキとおバカさん達ですね・・。」


振り返ると、五人のガキとにゃーに黒棺まで着いて来ていた。


「あんちゃん、魔王のねーちゃんを助けに行くんだろ?俺たちも連れてってくれよ!」


「ご主人様、私はもう待つだけなんて嫌なのです。」


「にゃーもいくんにゃー!!」


「あぁ、めんどくせぇ。てめぇらしっかり着いて来いよ!!」


突然、大所帯になってしまったがどんな敵が待ち受けているか解らない以上戦力が増えるのはありがたい。


しかしながら全員が無事に帰れる保障など何処にも無い。


だが、俺は魔王バカ含め全員無事に連れ帰ると心に強く誓うのだった。

前回からかなり間が空いてしまい申し訳ありませんでした。

PCもほぼ修復完了したため更新頑張ります!

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