お、俺の大切なアレが・・・・
いざ準備に取り掛かろうと追加設置してあった錬金部屋へと入った直後。
「なんじゃこりゃーーーーーー!!!!!」
ウチ中いや、街中に響き渡るかと言う位の自分でもビックリな叫び声をあげてしまった。
「あんちゃんどうした?」
「御主人様どうかしたにゃ?」
にゃーとガキ共があわてて部屋へと飛び込んでくる。
そしてオレの手には木製の丸い木の蓋が握られている。
「お、俺の錬金釜が・・・・。」
「錬金釜ってなんにゃ?ここは確かミソ部屋だったはずにゃ?」
「なっなんだと!?」
「五部一とコボ二がこの部屋で一生懸命ミソを作ってるにゃ!」
「ほう・・・。にゃー、詳しく話せ・・・・。」
「にゃにゃにゃにゃ???ご主人様顔が怖いにゃ?にゃーは何にも悪い事はしてないにゃ?」
小一時間後のリビングには、俺の目の前に進化の終わった二匹とにゃーが正座をしている。
「にゃ、にゃんでにゃーまで正座なのにゃー!?巻き添え?八つ当たり?まさかの八つ当たりかにゃ?」
「「・・・・・。」」
「何故正座させられているかわかっているのかお前ら・・・。」
首を振る二匹と一匹、にゃーに至っては涙目である。
「良いか、まずにゃーについては監督責任で同罪とみなす。今後二週間、おやつ抜きだ!」
「そ、そんにゃ!にゃーは何もしてないのに一週間もおやつ抜きにゃんて・・・・。」
この世界じゃ、おやつ位しか楽しみが無い中でおやつ抜きがどれだけの罰になるかは想像できるだろう。
「五部一とコボ二はなんで怒られているかわかっているのか?」
「「・・・・・。」」
進化直後で頭の回らない中必死に考えるも答えが浮かばず必死に首を振り否定する。
「基本的に自由に使って良いと言ってはあったが、調合用の部屋でなおかつ俺専用の錬金釜がなんで味噌釜になってんだよ!!」
「にゃにゃ!?」
「「あ!!」」
にゃーと二匹の声がかぶる・・・。
「お前らもしかして、あの釜がタダの釜だと思ってやがったな・・・・?」
「自分達鑑定スキル持ってないであります!」
「アニキも自分も村の為に頑張ってミソとショーユを作っていただけで決して悪意があった訳では・・・。」
おっとこいつ等本気で叱られていた原因に心当たりがなかったのかよ。
原因がわかった途端流暢に喋りやがる。
「特に、あの釜を使うとミソが物凄く上手くできるっす。」
「しかも、気のせいかも知れないっすけど出来上がるまでの期間も短い気がするっす!」
あれ?こいつ等もしかして錬金スキル獲得してねぇか?
後で調べてみねぇとな。
「お説教はココまでだ。
五部一、コボ二。お前らステータスを開いて自分の現状を確認してみろ。」
「すてーたすって何ですか?」
「自分も解らないっす!」
「おい、にゃー!こいつらには何にも教えてなかったのか!」
「またにゃーなのかにゃ!?にゃーはね、よくここに着て五部一達と修行してたにゃ?
頑張って赤竜も倒せるように修行したんにゃ!」
うん。にゃーは脳筋一派のカシラだった・・・。
「いいから、二人ともステータスって言ってみろ。」
「「す、すてーたす!!」」
「「!?」」
「どうやら上手くいったみたいだな?」
「なんすかこれ?」
「自分もびっくりっす!」
「多分、お前らにもわかるようになってると思うが読めなくても何となく理解できるだろ?」
「読めませんが、書いてある事は何故か理解できるであります!」
「理解できるであります!」
「お前らの種族はどうなった?」
「自分はゴブリンキングになっているです。」
「自分はコボルトキングであります!」
「御主人、その横に斥候って書いてありますがどうゆう事でしょうか?」
「自分も同じくニンジャとあるっす!」
あれ?進化ついでにジョブまで獲得してやがる。
こいつらどんだけ壁超えてたんだよ・・・。
「そうか、それらはお前らのサブクラスだ。
基本、魔物や獣人は自分の種族がメインのクラス。サブクラスは進化の際に稀に手に入る事があり
取得条件は俺の知る限り不明だ。
まぁ、戦闘方法によってなりやすい物の傾向はある程度あるけどな。
後は、五部一お前得意属性に風が増えてないか?」
「はい!自分の得意属性は風になっているであります!」
「やっぱりか・・・。」
「なんで解ったでありますか?」
「お前、アレ出来る様になっただろ・・・?」
「アレってアレでありますか?物凄い苦労しましたがなんとか一度に三度までならいけます。」
俺が言うあれとはゲーム時代にカッコ良いからと趣味で使っていた空歩モドキ。
ネタを明かせば簡単なのだが、空中に風魔法で足場を作って方向転換したりするアレだ。
「補助具も無しに良く出来たな。多分それが原因だろう。
そして、コボ二、お前は闇属性を獲得しているはずだ。」
「またまた当たりであります!自分も何故か闇が得意になっているであります!」
「何故か?じゃねぇよ!お前のは影渡りや空蝉をジョブを獲得する以前、しかも最下位の種族の時点で使ってたから持ってなきゃおかしいんだよ!」
「カゲワタリ?ウツセミ?何でしょうか?」
やっぱり脳筋だな・・・。
「相手の背後に急に移動したり、逃げ場のない時に、ほんの短い距離を空間移動出来たりする事があるだろ。詳しい事は俺も専門じゃねぇからわからねぇけどそう言うスキルの事だ。」
「それなら、何となく使えてたのがあります。
今思うと、何となく使い方も理解が出来る気がするっす!!」
「後は、お前ら自分の装備は受け取ったか?」
「「!?」」
「アレって自分の専用で良いのでしょうか?」
「アレって何処かに納品するものじゃ・・・?」
「だったらワザワザお前らの寝床に置かないと思うが、要らないなら競売にでも出すぞ?」
「ありがとうございます!」
「頂戴するっす!」
変わり身はええな。
「味噌のせいでこいつ等は俺のお古だが、五部一にはこの篭手と具足だ。
そして、コボ二にはこのマントとチェインメイルな。
あ、お前の職業で言うなら鎖帷子って奴だ。」
「この銀色のピカピカした篭手と具足は・・・。」
「あぁ、それか?風竜の素材を使った奴だから空歩の補助には最適化と思ってな。
だが、特化装備だから練習しねぇと変な方向に飛んでいってもしらねぇぞ?」
「自分のは両方真っ黒っす!」
「お前のは影の衣と闇鉱石で作った奴だ。どちらも闇属性と相性が良い。
影の衣はドロップ品の強化した奴だからそこそこの性能だが、闇属性のスキルには相性が良い筈だ。
本来なら新しくと思ったのだが錬金釜が使用不可能じゃここまでだ。」
一揃えの装備を身につけた二匹と言うか二人はそこそこの見栄えになっていた。
五部一は赤と白の二色。コボ二は赤と黒に剣の柄の水色。
なかなか映える配色になった。
「まだまだ、進化直後で魔力とかも上手く扱えないだろうが
使いこなせば赤竜如き一人でも簡単にやれるようになっただろう。」
「マジかよあんちゃん!俺たちもそんな装備欲しいよ!」
「お前らには十分過ぎる装備をくれてやっただろう!
こいつ等は地が違うんだよ!お前らも、装備無しで何百年も修行してみろ。
そしたら、同じ位一気に強くなれるぞ?」
そりゃそうだろう。武器も防具も無しに自分の肉体のみで戦い続け
そこに自分にあった装備が加われば戦闘力が何倍にも膨れ上がる。
まぁ、慣れるまでは多少苦労するだろうがその辺の雑魚には到底勝ち目はないだろう。
「御主人ありがとうございます!」
「これからもがんばるっす!」
思いも新たに目を輝かせる二匹。
「にゃ、にゃーはいつまで正座してたらいいのかにゃ・・・・(泣」
うん。完全に忘れてた。
にゃーごめんね。
書いている途中で寝落ちしてしまいました。
次回もなるべく早く更新できる様に頑張りますのでよろしくお願いします。