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とある薬師の受難  作者: 散歩道
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卒業試験の始まり

「まぁ、コイツの処遇は後で決めれば良いとして次はウチの成果だな。」


餓鬼共の方を振り向くと、こないだまでは大人連中に囲まれると泣きそうな顔をしてビビリまくって居たのが嘘の様に地震に満ち溢れた顔をしている。


「まずは、戦闘面ではワイバーンまでならほぼ無傷でいけるようになった。


魔法に関してはまだ修行中ではあるが初歩程度の魔法は一通り使い物になる様になったな。


後は、低級ポーション類なら失敗がほぼ無くなったと言う所だ。」



「ばっばかな!たった三ヶ月でそこまで鍛えられる訳がないだろ!

しかも、そんな子供にワイバーンが倒せる訳ないじゃないか!」


またコイツか・・・。


「お前は自分より優れた物を持つ者を何故信用しない?


このままいけば、こいつらはここに居るやつらの誰よりも強くなるぞ?」


「ふむ。私や主殿よりもですか・・・。それはそれは興味深い。」


「あぁ、不可能じゃないぜ?100年位頑張って修行すればな。」


「「「「人間じゃねぇヨ!」」」」


「あれ?それじゃぁ、頑張っても無理か・・・。

まぁ、そこらの冒険者よりは間違いなく強くなれるさ。


それに、こいつらには俺から頑張った褒美もやるしな。」


「主殿、私にも何か頂けるのですか?

三ヶ月もコレの面倒を見させられたのですから何かご褒美を頂けると

老体に鞭打った甲斐もあるかと・・・。」


「そうか、セバスは老体だったのか・・・。よし、じゃぁ隠居しても良いぞ?」


「主殿は本当にいぢわるですなぁ。」


「まぁ、冗談はさておき・・・。ここに居る全員に報告がある。」


全員の視線が俺に集中する。


「卒業試験と言う訳じゃ無いが、ここに来る少し前に赤竜レッドドラゴンの巣をかき回してきたからそろそろ到着する頃だと思う。


なめてかかると街が滅ぶから頑張ってみようか?」


あれ?なんだろう?反応が無いぞ?


「「「「「に、にげろーーーーー!!!」」」」」


全員が全員荷物も持たずに逃げ出そうとしている。

今更逃げても遅いのになぁ・・・。


我先にと扉から出た奴が直ぐに扉を閉める・・・。


「駄目だ・・・。遅かった・・・。」


言うが早いか轟音が鳴り響く。


「あぁ、終わりだ・・・。」


「かあちゃん、すまねぇ。帰れそうにねぇ・・。」


「神よ!我等を見捨てたのですか?」


みんな好き放題言ってやがる。


「おいおい、嘆いてるだけじゃ本気で滅ぶぜ?」


「ねぇ、あんちゃん?」


「おう、なんだ?」


「行くのは決定だとしてもこのまま行っても無理じゃね?」


餓鬼の癖に頭は回るみたいだ。


「しょうがねぇ、卒業祝いの先払いをしてやるよ。

その代わり生きて戻って来いよ?」


餓鬼共にそれぞれアイテムバックを渡す。


「何が入ってるの?」


「良いから、手を入れてみろ。中身がわかる筈だ。」


アイテムバックは手を入れれば中身が頭に浮かぶ便利なアイテムだ。

一々説明するより遥かに楽である。


「うぉぉ!すげぇ!良いのかよ?あんちゃん?」


「凄い凄い!」


「これ、売ったらいくらになるんだろう?」


「コレなら本当に勝てそうだね?」


「頑張れば生きて帰れそうだね!」


一名変な方向に行ってる奴もいたけど、こんなもんか。


「安心しろ、確かに作ったのは俺だが素材はこの三ヶ月お前らが倒して手にした物だ。


防具はお前らが集めた素材で武器に関しては鉱石系の魔物が居なかったから俺からのサービスだ。


だが、油断するとそれでも足りねぇかも知れないが手持ちの薬とかも使って出し惜しみするんじゃねぇぞ?」


それぞれが新しい装備に身を包み、扉から飛び出していった。

まぁ、あの装備を身につけてりゃ集中砲火でも食らわない限り即死はねぇだろう。


「おい、セバス頼んだぞ?」


「御意!」


セバスはそう言い残すと一瞬の内に姿を消した。

万が一の保険としてセバスに見守らせれば特に問題ないだろう。


「おい、お前もさっさと行けよ?」


「ぼ、ぼくは貴族なんだぞ?なんで僕がいかなきゃいけないんだ!」


「貴族である前に冒険者ギルドのギルドマスターだろ?」


「ぼ、ぼくはこんな所で死んでいい人間じゃないんだ!」


「ここで隠れてても良いが、隠れてても死ぬだけだぞ?」


「で、でも・・・。」


「てめぇにもくれてやるからさっさと行きやがれ!」


そう、セバスからコイツが狩った魔物の素材を受け取っていたのだ。


先陣切って向かうようならタダでやろうと思っていたのだがしっかり料金を頂くとしよう。


「後から請求書をまわすから覚悟しとけよ?

最低でも3~4体は狩らないと赤字になるからな?」


「赤竜4体ってどんだけ暴利なんだ!」


文句も言いつつ装備を着替える元豚君。


「こ、これは・・・。勝てる!勝てるぞ!


僕は無敵だ---!!」


なんか妙なテンションになってやがるな?そんな効果は付いて無いはずだったのだが

まぁよしとするか。


「おら、てめらにも数打ちの武器をくれてやるから行って来い!


それだけの数いりゃ赤竜位やれるだろうに?」


そう言い、武器を投げつけると俺も建物から出る。


「こりゃ、大勢できたなぁ・・・。」


そう、見える限りでも20体は居るだろうか。


餓鬼共の体力では3~4体もやれれば良い方。

元豚君は頑張っても2体だろう。


冒険者連中は頑張っても1~2体だな。


残りは適当に間引くとするか・・・。


それから、街に静けさが戻るまで4時間ほどの時間が必要だった・・・。


「はぁはぁはぁ・・・。もーだめだ!動けない!」


「モー無理!さすがに魔力が持たないよー!」


餓鬼共は疲労の限界だろうが大きな怪我も無く大健闘と言った所だろうか。


「何とか生き延びたぞ!僕はこんな所で死んで良い訳が無いんだ!」


「私が助けなければ三度ほど死んでましたよね?」


「し、師匠!そ、それは内緒にして頂けるって・・・。」


本当に駄目駄目な奴だなコイツは・・・。


子供ですら頑張って居たのに周りも見ずに闇雲に突っ込むばかり・・・。

セバスが居なけりゃ確実に死んでたわ・・・。


それに加えても、餓鬼共は散々叩き込んだ連携もうまくいき、相手が一匹なら危なげなく討伐出来たな。


さすがに、子供の体力では連戦は不可能に近いがそこは各種ポーションで底上げも出来ていたし

もう少し無駄がなくなれば良い線行くだろう。


他の大人連中はまぁ、及第点と言った所か。

俺やセバスが瀕死に追い詰めた奴をタコ殴りにしてただけだしな。


「よし、素材は全部俺が買い取ってやるからギルドで各自清算しろ。」


俺が12体、セバスが8体、餓鬼共が5体に元豚君は2.5体だった。


うん、頑張った俺!こいつらの面倒見つつ戦うのは正直しんどかったし、当分は休暇が必要だなぁ・・・。


まぁ、休暇の前に今回の素材で適当に装備を作れば一財産築けそうだがな。

リアル多忙で更新が出来ず申し訳ございません。

次回も頑張りますのでお待ちいただければと思います。

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