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とある薬師の受難  作者: 散歩道
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どうしてこうなった

長すぎる為、ultimate online →Uo

目を覚ますと、俺の横でガサゴソと音がする。

アイテムポーチではないバッグに首を突っ込んで抜けなくなった小動物が

頭かくして尻隠さずってのが一番似合う格好をしている。

首筋をつかんで持ち上げると、ソレと目が合う。


「きゅ?きゅきゅきゅっ?」


んむ。何故捕まっているか不思議なようだ。

見た目は茶色と白の斑模様のウサギだが、現実世界には絶対に居ない種類の

ウサギだ。

何故そんなにウサギに詳しいかって?

ウサギに詳しいわけではなく、動物にも特に詳しいわけじゃない。

何故違うと言い切ったかと言うとコイツには現実世界のウサギとは決定的に

違う点がある。そう額に小さいながらも鋭く尖った角があるのだ。


「俺の記憶が正しければ。コイツはホーンラビットだよな・・・

群れからはぐれたのか?」


とりあえず、横に転がってるバッグの中身の確認をすると三日分はあった携帯食料のほぼ8割を食い尽くされていた。


「お前なぁ・・・・。

食っちまった物を返せとは言わんが。

食うのに夢中になりすぎて群れからはぐれるとはどんだけ馬鹿なんだ?」


「きゅっ!きゅきゅっ!!」


ふむ。完全に理解してるとは言いがたいが悪口を言われたことには気がついたみたいだ。


「悪い悪い。俺が悪かったって。」


会話が成り立つとも思えなかったが、とりあえず謝罪してみたものの

コイツはさっきからしきりにバッグを気にしている。


「お前、アレだけ食ってまだ食うか。

しゃぁねぇなぁ。

とりあえず、携帯食料だけならくれてやる。」


そういいながら残り少なくなった携帯食料を目の前においてやると物凄い勢いで食べつくすと俺のほうを見上げてくる。


「もうねぇよ。

お前が全部食っちまっただろ。

干し肉はさすがに食わねぇだろ。

群れに置いてかれないうちにさっさと追いかけな。」


と言いながら、俺はウサギのヤツを見送ると記憶の整理を始めた。


「確か、クエストのNPCに腕を捕まれて引っ張られたところまでは覚えてる。」


そうだ、俺はUo最後の日にログインして見慣れるNPCからクエストを受けたんだ。

その後、NPCにアイテムを渡したところで報酬の話になりそこで記憶が途切れたんだ。

目を覚ますと、見覚えの無い森の中でウサギに食料を食われると言う散々な目にあったばかりだ。


「俺の名前は神野 匠 (ジンノ タクミ)だ。

そして、最後にログインしてたキャラクターは錬金と調薬を極めた

ジンタだったはず。

他にも倉庫番やら商店用の別キャラも居たが、資産のほぼすべてはジンタにもらせてあったはずだ。」


Uoの世界は完全なスキル制。レベルの概念は無く、スキルと装備品による

強化で強さの大半が決まる。

残りはPSプレイヤースキルで勝敗が決まると言っても過言ではない。

HPとMPは今の時代にありえないバー表記のみで数値化はされていない。

だから後何割って位でしか確認は出来ない。

まぁ、特に問題は無いのだが毒などのスリップダメージで

残りが少ない時は、後どの位で死亡するかが解らない為結構あせったりする。


「さてと、どう見てもログインしてたままの装備だな。

アイテムポーチの中にはある程度の薬品や素材等はあるし、家が買えるほどでは無いが所持金も少なからずあるな。

とりあえず、川をさがして下っていけば、街か村があるだろう。」


とりあえずの食料で干し肉はあるし、水は魔法でも出せるがポーチの中に

調合用の蒸留水がたんまりあるから飢え死にはする予定は無い。

だが味気ないのには変わりないから早いとこ人の居るところへたどり着けると良いな。



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