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僕の約束×君の約束  作者: Gave
一学期編
4/28

天涯孤独の少年

第10話 天涯孤独の少年


今回の話は達也の過去話onlyです。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


俺は獅童家の一人息子としてこの世に産まれた。


達也という名前は母さんがつけてくれたんだ。

何事もなく毎日が過ぎ

気づけば幼稚園の入園式の日に。


俺はあまり友達ができなかった。

そんなのどうでもいい。自分がその日々を楽しめれば

それでいい。


なんて思っていたんだ。

あの日がくるまでは、、、、


昔の俺はどちらかというと

今の颯や葵のように派手な性格だった。


そのため遊んでいるとしょっちゅう周りに

迷惑をかけ、親と一緒に謝っていたんだ。


でもある日の朝

父さんは俺と母さんをおいて出て行った。


俺は「父さん帰ってくるよね?」と母さんに聞くと


なにも感じていないような顔で

「帰って、、くるといいね。」と言った。


その日の夜にいつも通り母さんのご飯を食べていると

突然俺の目の前で


母さんが倒れた。


その頃小学2年生だった俺はすぐに病院に

電話をかけた。


するとすぐに救急車がきて

俺と母さんを乗せて病院に向かった。


家に俺と母さんしかいなかったため

「お父さんは仕事かな?」と聞かれると


俺は「父さんは仕事なんです。きっと帰ります」

と答えた。


母さんが病室に運ばれそばで見守っていると

何故か目から水が流れてきた。


感情的に泣いたことがなかったため

俺はその水の意味がわからなかった。


だけどなんとなくわかった。


これは、怒りの涙だ。


母さんはふと目を覚ますと

毎回毎回俺を抱き寄せてこう言ったんだ。


「心配かけてごめんね」と。


俺は母さんが病気持ちだということに気づき

毎日母さんの看病にあたった。


運動会の日も、修学旅行の日も


中学生になってからのあらゆる行事ごとも


全てを休んで母さんの看病にあたったんだ。


学校を頻繁に休んでいたため

学校に行くとイジメをうけ、散々な日々だった。


そんな1日だったとしても俺は母さんのそばに

いてあげたかったんだ。


父さんは二度と帰ってこない。あんなやつ父さんじゃ

ない。俺が母さんを守ると決意したから。



私立の入試には参加して合格して

看病にあたろうと考えていた。


だが、出欠日数が多すぎて

俺は行きたい高校を失った。


そんなこんなで俺は今この海明学園に通っている。


颯や葵などの友達もできて

母さんの病状もよくなってきていたので

安心して学校生活を送っていた。


だが高1の終わりの時期に病院に行くと

母さんは気持ちよさそうに寝ていた。


心臓を小さく動かしながら。


様子がおかしいと思い先生を呼び

検査してもらったんだ。


すると先生の口から出たのは余命宣告。

あと6ヶ月ほどだと。


まだ6ヶ月という期間があったが

俺はその期間が怖かった。


あと6ヶ月したら母さんは死ぬ。

俺は1人になる。

怖い、嫌だ、、1人になるのは、、、


絶対に嫌だ。



次回第11話 狂いだす日常

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