二人の想い
「颯くん。早く行こっ!」
未来はそう言いながら颯の手を握り
走っていく。
凛香の視界の中を、、、
第20話 二人の想い
未来は近くの道を走っていく。
颯はどこに行くのかすらわかったものではなかった。
「おい、どこに行く気なんだよ?」
颯がそう聞くと未来がふと立ち止まった。
どうしたのだろう?と思っている颯に
「私ね、颯くんのこと、、前から好きだったの、。
いつも教室から眺めてるだけで楽しかった。
けど、、、」
颯はこの展開を予想していなかったので
正直に驚いている。
妄想などなしに。
「眺めてるだけじゃ、、物足りないの。
颯くんと一緒にいたいの!!
こんな不器用な私と、、付き合ってくれませんか?」
顔を真っ赤にしながら未来は下を向いている。
その言葉を聞いた颯は返事をしようとした。
だが、このタイミングに未来が
「あ!ごめんね!今からおばあちゃんの家に行かないとダメなの!返事また聞かせてね!!」
と言いながら走り去っていった。
颯は告白されて突然一人にされて
もう空は真っ暗だ。
「はぁ、、。告白されるとは思ってなかったな、。
別に付き合ってとか言われても、、、。
付き合って何がしたいんだろ、、。」
次の日。
この日は生徒会選挙の演説会だ。
颯も未来もちゃんと原稿を持ってきて朝から
生徒会室で練習していた。
するとドアから葵が元気に入ってきた。
「おっはよー!颯くん、原稿どう?完成した??」
「おかげさまで完成したよ。葵が残っていいって言ってくれてなかったらどうなってたか。」
感謝しなさいよー。と笑い合う颯と葵を
未来は羨ましそうな目で見ていた。
すると副会長立候補の翔が
「会長、もうすぐ演説会です。移動を開始しましょう。」と移動の指示を出した。
みんな返事をして生徒会室をあとにする。
颯が体育館に向かっている時、
雫が隣に現れた。
「神川さん、昨日何をしていたのですか?」
その質問に驚きながら
「え?原稿書いてたけど、、?」
と答えると雫はため息をついた。
「昨日、ミーちゃんと一緒に帰ってたでしょう?
どういう風の吹き回しですか?と凛香ちゃんからの伝言を預かりましたので。」
凛香?なんで、、。
「なんでそれを知っている。」
颯が聞いてみると雫は率直に答えた。
「帰り道、コーヒー屋の前を通りましたよね?」
「え、、?」
颯には全く話がわからなかった。
コーヒー屋の前?昨日、ミーちゃんに手を握られて
走って、、走って、。
あれ?どこ走ってたのかわかんねぇ。
「場所、あんまり記憶にないんだ。」
そう言うと雫はスタスタと先を歩いていった。
なんだろう、、。この胸騒ぎは。
そして微妙な空気の中
生徒会立候補演説会が行われた。
一人一人名前を呼ばれ、
みんなの前で話をしている。
颯は初めての体験だったので、葵達に強い感覚を
覚えた。
そしてアナウンスで颯の名前が呼ばれた。
颯は席を立ち台の前までまっすぐに歩いていった。
前を向き一礼をしたあと、マイクに声を当てた。
「この度、生徒会会計に立候補させて頂きました
2年の神川 颯です。今回立候補した理由は
少しでも学校や先生方の力になれるといいなと
思ったからです。、、。以上です。」
原稿をいい終えると颯は席に戻っていった。
こうして演説会も終わり
立候補のメンバーは体育館のステージから降りた。
すると葵が颯の肩を叩いた。
「颯くんさ、あの原稿本当に昨日あんな時間かけて
作ったの?レベル低すぎない?誰かに原稿書き換えられたとかされてない??」
「酷いな!しゃーねーだろ、あれしか思いつかなかったんだから。」
颯は少しで不満気な顔で体育館を出ていった。
未来も体育館を出ようとしたその時
前に人が立っていた。
凛香だ。
「未来さん、放課後屋上でお話しない?」
次回第21話 闇だらけの悪魔




