世界最強の制空力
アメリカのあるところに静かで穏やかな村がありました。
村には牧場があり104匹の羊と一匹の牧羊犬がいました。
その牧場を管理しているのは主の「ヤソププ・プンプン」ただ一人。 妻が死に独り身となった彼の楽しみは毎日昼に遊びに来る子供たち、そして彼らを迎えに来るついでに夕飯を分けてくれるその母親たちと会う事。
男たちは皆、働きに都会に出て人口のとても少ない村でしたが、毎日村人全員の顔が見れる。 彼にとってこれ以上うれしい事はありませんでした。
そんな村人たち33人、羊たちも合わせて138の命が一晩で奪われた時。
アメリカの気象レーダーはある「影」を捉えていました。
攻撃の判断を下す間もなく防空識別圏を抜け、レーダーにその姿形を捉えられることない速さで飛び、一つの村を永久放棄の判断を下さざるを得ない程に被害を与え、去る。
こんな事が出来るのは世界でたった一匹。
「我々はこれをアメリカに対する宣戦布告と受け取り、直ちに「トゥモロコシ・オオノトリ」に対し報復攻撃を開始する」
世界を揺るがす一人の少年と一匹の鳥の小さな戦争の始まり始まり~。