熱
未だみんなが寝静まっている深夜、直中イサムは目を覚ます。
早速パソコンに近付いて昨日登校したイラストの動向を確認する。
いつも通りの数字だと分かって「まあそうだろうな」と思うと同時にどこか寂しい気持ちになり、彼が描いた銀髪の女子高生に関してのことをXでエゴサーチをすることにした。
確かにヒットはするにはするもののゲーム自体売れ行きの良くないものであったためか話題に上げている人は少なく、なんなら彼のフォロバ仲間が大半だった。
自分の好きなことの人気が著しく乏しいこの事態が、どこか彼自身が世界から孤立していてどうしようもできない悩みなのではないかと不意に空虚で孤独な感情を男にもたらした。
とはいっても何もできることはないなどと考えて彼は窓から夜空を眺めた。
しかし夜空を照らす星々はどこかいつもより曖昧な輪郭で光っていた。
気付けば瞳に留まってるそれを、男は感じようとしなかった。
自責の念か他責の念かでぽつぽつと湧き出てくる感情を選別しながら彼は自分を肯定していると次第に空の色は明るんでいき太陽が地平線からその頭を出してきた。
陽の目を見るとなんとなくこの堂々巡りの感情がどうしようもないことだと悟って、渦巻く色々な物事の為の不安心のあて場をXに求め、おすすめに流れてくる情報を一心不乱に貪り現実逃避をしてしまおう試んだ。
しかしなんだかどんな投稿も赤の他人のくだらない戯言のようにしか受け止められず、男はそれらを見ていくごとに「なぜあの恋愛ゲームをやらない」といった彼らへの敵意や怒りが募っていった。
募っていくごとに悔しさややるせなさに逆転していって、またそれらの感情もゲームを有名にさせたい自身の承認欲求が影に隠れた情熱へと転換されていった。
しかし嘘でもその青く滾った情熱は男に原動力を強制させ、その衝動に突き動かされるまま彼はゲームの原作者のアカウントにDMを飛ばした。
「貴方のゲームの広告を作ってもいいですか。」




