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悪魔の俺が何故お前らのお守りをしなければいけない!と言うお話し  作者: 掃溜めに駄犬


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第7話 サバイバル・キャンプ



 春に芽吹いた葉が青々と感じられる季節となり、暑くもなく寒くもない皐月(さつき)の頃

 学園では新入生達の親睦を深めるために恒例のサバイバルキャンプが行われようとしていた!



「良いかいお前たち! この森にはラビット程度の魔獣しか出現しないが……」

 ラビットとは言え魔獣が出現するらしいのだが、出現してくれなくても困るのだ……


 なぜなら……


 実はこの『サバイバルキャンプ』なる恒例行事、ナイフと水筒・塩以外の持ち込みが禁止の二泊三日のガチサバイバルだからだ!


 生徒は五人一組のパーティーとなり、寝床や食料と飲水を確保し三日目の夕方までに目標地点に到達しなければならないのだ!


※※※※※


 当然爪弾きの俺様はボッチ確定だったのだが、カミラ様の御慈悲でカミラパーティーに入れてもらえた

 残りの三人は人族で不老のカミラを崇拝する(自称)信者だそうだ……


「こんなメンバーで、大丈夫なのかよ……」

 そんな四人を引き連れて俺様は地図を片手に目標地点へと歩を進めた



 それほど険しい森ではないが、足下には雑草が生茂り道なき道を進むのは困難を極める


「あのぉ少し宜しいでしょうか?」

 メガネ男のひとり『キテ』が口を開いた


「先程から観察させて頂いてますが、アギト氏は北に進んでいるのです

よね!」

「地図を見て進んでいるのだが?」

「やはり闇雲でしたか……今の季節・時刻・太陽の位置から計算すると、北はアッチですよ!」

 キテの指した方向は俺様の進んでいた方向から右へ九十度の方角だった……


「使えない男ね……」

 カミラ様の鶴声(鶴の一声)で引率はキテと決まった……



 しばらく進むと小川に突き当たったので、休憩含め昼食をとる場所とした!


「ひやぁ〜小川があって助かったぜ! ノドがカラカラだ!」

 俺様は小川の水を両手ですくうと乾ききった喉を潤す


「駄目ですよ!」

 今度はメガネ男の『レツ』が口を開いた


「生水を飲んではいけません! お腹を壊しますよ!」

 レツは持ってきた金属製の水筒に小川の水を汲み、焚き火で煮沸しだした


「時間は掛かりますが、安全な水を確保しておきましょう!」

 俺様は水筒など革袋で間に合うと思っていたのだが、レツはこの様な事態を想定して重くても金属製の水筒を用意してきたらしい……


※※※※※


「クソぉ、水は出来たが腹も減ってきたなぁ!」

 俺様がギュルギュルと鳴く腹をおさえて唸っていると……


「カミラ様、この様な物しかご用意できずに申し訳ありませんが……」

 メガネ女の『コロ』が、カミラに何かを手渡した


「まぁ……甘くて美味しいわ……」

 手渡されたのは『野苺』や『樹の実』だった

 コロは目に付いた野苺等を非常食様に採取しながら歩いていたらしい……


 お前らガチサバイバーかよ……


「カミラ様の為なら当然です!」

 よく出来た従者達である……

 

「それに比べてアナタは、ホント使えない男ね……」

 俺様はカミラ様から本日二度目の使えない男を頂きました……

 野苺も少し分けて頂きました……


 野苺と樹の実で腹ごしらえをした俺たちは再びキテの先導で目標地点を目指したのだった



ーーーーー



「ここをキャンプ地とする!」

「わぁーカミラ様カッコいい! パチパチパチパチ!」

 どのくらい進んだのだろう、まだ陽は高いのだがカミラの鶴声で本日のキャンプ地が決まった


 カミラ(いわ)くソコソコ開けた場所で小川も近く、何より直ぐ側で小動物の排泄物を見つけていたらしい

 

「陽の高い内に獲物を狩りましょう、出来れば明日の分も……この場所はそれに適しています……」

 メガネ達三人は拍手で応えていた


「だから、ここをキャンプ地とする!」

「きゃーーっカミラ様すてきです!」

「カミラ様もうワンポーズお願いします!」

「ここをキャンプ地とする!!」

「ワンモアプリーズ!」

「ここを! キャンプ地とする!」

 何かのツボだったのだろうか、カミラはポーズを変えながら何度もここをキャンプ地と決定していた……


※※※※※※


 あれから暫く、俺様は獲物になるラビット系の魔獣を追っていたのだが……


 『俺様にまかせろ!』と大口叩いて勢い任せに飛び出したものの、ラビットどころか飛べない鳥類系の魔獣さえ捕まえることが出来なかった……


 気落ちした俺様はトボトボとキャンプ地へ戻る……


「おぉアギト氏! 成果はいかがですかな!?」

「すまねぇ、一匹も捕れなかった」

 人族は道具がなければ、やすやすと獲物を狩れない

 だから俺様がと思ったのだが、面目丸潰れだ……


「おぉっカミラ様が戻られたぞ!」

「遅くなってすまない……」

 カミラも狩猟に出てたのか?


「すごい! 鹿だ!」

「へっ!?」

 なんとカミラが鹿を狩って戻ってきた!!


 いつも気怠そうで極力動こうとしないヒキニート・カミラが鹿を!?

 メガネ達は拍手喝采の嵐だった……



「では早速、小川で血抜きを!」

 鹿は狩って直ぐに血抜きをしないと臭くて食べられなくなる

 喉元を切り裂いて川に漬けておけば完璧にとは言えないが血を抜ける……


「心配には及ばないわ、血抜きは完ぺきよ……」

『こ、、コイツっ! ●▽■☓!!』

 メガネ達は暗闇で気付いていないようだが悪魔で夜目の効く俺は気づき戦慄さえ覚える!


 真っ白に近い色白で童顔のカミラ、、、その口元から流れ落ちる赤い血……


 俺だけが気付いたことを分かっているのだろう……

 俺様の耳元でカミラが小声で艶かしくささやく……

 

「吸っても後で吐き出しておいたわ、、だって不味いし肥っちゃうじゃない……」

『ヒィィィィーーーイ!』

 耳元でささやかれても嬉しいセリフではありませんよねーーー!


「ホント、アナタって使えない男ね、、、頑張らなきゃアナタも血抜きしちゃうわよ……」

『ヒ、ヒ、ヒィィィーーー!』

 耳元で、、、(以下略)


 悪魔族の俺様の股間を縮み上がらせるとは何とも恐ろしい女だぜ!



ーーーーー



 その後、俺達パーティーメンバーは獲物を解体し晩飯用と後日用とに分けて調理をし始めた



「やっと見つけたぞカミラ……」

「周りの人族はいかがなさいますか?」

「かまわん、殺れ!」

 


 俺たちを取り囲もうとする、静かな殺気に気づきもしないで……



 俺は悪魔族アギト、戦闘力ゼロ・甲斐性ゼロ・金なし家なし女なし

 クソの付くほどのインドア派な男だぜ!

 

 


 



 


 


 

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