第15話 妖怪族・猫又
【もぉ良いよ! お前ら如き、ニャア一人で殺ってやるよ!!】
「何を言っている!? 貴様は何者だ!?」
フウガは叫びながら何かに怯える様に辺りを見渡す!
「あれを見て!」
オーレリアが指差す先で空間が歪んだかと思うと、その歪みが何かの姿を象っていった
「人族との共存など認める訳にはいかニャい……」
歪みは整い姿を現す!
四足の獣は黒・白・茶の3色で尾は二股に分かれていた……
「貴様! 猫又か!?」
「だったらニャんだい、使えない狐ニャン!『グゥ』」
『妖怪族・猫又』
永く生きた猫には稀に妖怪化し猫又となる個体がある
人化した時は亜人種の猫型獣人と間違われる事もあるが似て非なるものであり
猫又ともなると猫語以外の他言語も話せるようになるし妖術や呪術なども使用する、厄介な奴だ……
「狐を使って場を荒らし、混乱に乗じて死人を出せればと思っていたのだが……ニャン『グゥ』」
コイツはフウガを操り事件を起こしRACE計画を邪魔する考えだったらしい!
確かにあの状況からRACEの誰かが命を落としていたら、国際問題となりRACE計画は頓挫したであろう……
「ニャアにとって他種族交流自体は左程問題視していないニャ『グゥ』、だが人族と馴れ合うのだけは許せない、そんな計画は潰してやるニャン!」
やはり種族間の軋轢はこの様なところでもイレギュラーを産むのか!?
「こうなればニャアが直に殺してやるニャン! 覚悟は良いかニャァァ!『グゥ』」
猫又は獣化したまま呪文を唱え始める!
「させるか! よくも私を操ってくれたな!」
フウガが飛び出し猫又に詰め寄る! 二人は前脚の鋭い爪と牙で応戦し合った!
「操られたマヌケなお前が悪いニャ『グゥ』! カースクロー! だニャン!」
フウガの攻撃をいとも容易く躱し続けていた猫又がフウガとのすれ違いざまに爪を立てた!
「その傷には気をつけるニャァァァ『グゥ』」
猫又の眼が鈍く光る……
「これしきの傷、、、ガハァッ!」
「傷口から呪が全身に行き渡り、最後は死に至るニャン『グゥ』」
「おのれぇ、、猫如きに、、」
即死では無さそうだが、フウガは苦しそうに膝をついた
「保険の為に全員殺っとくニャ!『グゥ』」
続けざま猫又はセイナ、ニンファへと攻撃を開始した
猫又の俊敏かつアクロバティックな動きに翻弄され、魔法技主体の二人は為す術もなくやられちまった!
「何故、猫又程度の妖怪に後れを取るのだ!」
オーレリアが素早く剣を振るい、カミラが素早く詰めて手刀を繰り出すもアッサリと躱され続ける
「おミャらは上位種だけあって確かに能力は高いニャァ『グゥ』、しかし余りにも経験不足、、ニャアから見れば赤子と遊んでいるみたいだニャン!『グゥ』」
RACEの面々は王族やその近親者なだけあって、同種族で比べても能力は桁外れに高い!
しかし逆に王族や近親者だからこそ余りにも戦場での実戦経験が乏しかったのだ!
猫又は四尾のフウガと比べても妖力・身体的能力など全てにおいて下位互換だ
だが猫又には先の大戦によって培われた死と隣り合わせの経験が豊富にあった!
「おミャァらも逝くニャァ!『グゥ』」
スピードでまさるカミラは猫又の攻撃を躱すも紙一重だ!
猫又は豊富な実戦経験から相手の動きの先を読む!
そして遂に猫又の鋭い爪がカミラを襲った! しかし!!
『ガキンッ!!』
オーレリアだった! 猫又の爪を間一髪、シールドで受け止めていた
「何と言うパワーだ! これでは持ち堪えられん!」
オーレリアはシールドを両手で支え全身で踏ん張る
勇者の卵とは言え人族の身体能力などたかがしれている……
「人間! おミャァの死をもって第二次百年大戦の始まりとするニャァ『グゥ』! 積年の恨みを喰らうニャァァァ!!」
猫又は空いた左腕を大きく振りかぶりオーレリア目掛けて振りおろした!
こんな所で契約不履行はゴメンだ!
「させるか! 秘技ロケットプワァーーーンチ!」
放たれた俺様の右腕はオーレリア達の場所まで一直線に飛んでいく!
『ロケットパンチ』
先のカクフォイとの闘いで斬り落とされた右腕はその後アッキーの助言で唾を付けて治した
そのあと接着部分の余りの痒さに色々と弄っていたら接着部分が脱着可能になってしまったのだ!
ロケットパンチとは名前だけだ、外した腕を念動力で動かしているだけで機械獣の身体を貫くような破壊力はない!
だが飛んでいるのは俺様の腕! 念を送って命令すれば!
「俺様の腕! ジ・ヴォイド発動!」
ロケットパンチはオーレリアと猫又との間で掌を開きヴォイドを発動する!
「ニャ、、ニャンだ!?吸い込まれるニャァ!!『グゥ』」
猫又は吸い込まれまいとオーレリアの盾に爪を立て脚を踏ん張りその場に踏みとどまろうとする!
しかし一瞬たりとも気の抜けない状態となってしまっていた!
「くぅぅぅ、、こんな所でやられる訳にわニャァァァ『グゥ』」
『さっきデカいのを一発発動済だからな、、これ以上は魔力がもたない……』
エクスプロージョン対策に放ったキャプチャー・ヴォイド・モーメンタムで魔力の大半を失った俺様は猫又を吸い込みきる前に意識を失いそうだった
「意識を失う前に、、、」
俺様は最後の力を振り絞ってヴォイドを念動力でコネコネする、一か八かの賭けだった!
「後は頼んだぞ、、みん、な、、」
コネコネが完了すると俺様は地べたに突っ伏した……
「アギト!」
「旦那様!」
オーレリアとカミラの声が遠くに聞こえる……
猫又、、この勝負お前の勝因となるとすれば先を読む経験を活かした俊敏性、言わば『動き』だ!
だが俺様のコネコネにより作り出した物体にお前は『動き』を封じられる、、はず、、だ、、
「「な! なんニャこれニャァァァ!!『グゥゥゥゥ』」」
猫又は狼狽え、狼狽し、戦慄を覚え、《《カッ》》と目を見開いた!!
猫又が息を呑むコネコネした物体とは!!!
俺は悪魔族アギト、戦闘力ゼロ・甲斐性ゼロ・金なし家なし女なし
クソが付くほどナンパの為にあらゆる種族の好みを追求しまくった男だぜ!!




