表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/13

日本某所にある離島で多発する行方不明者

「ああ、あそこの離島ね。観光名所になったみたいだけど行くのはおすすめしないよ」


 毎年、海で数名の行方不明者が出る場所だが、近隣の漁師が止めるほどだろうか。


 疑問に思った私はジャーナリスト魂に火が付いて、離島の調査を始めた。


 すると面白いことがわかる。


 行方不明として発表されている人数以上に人が消えているのだ。さらに住民への聞き込みを進めていくと、怪異の存在にたどり着く。


 村人曰く、


 夜は出歩くな。

 周りに人がいなくなったら全力で逃げろ。ただし逃げ切れる可能性は低い。

 お守りを持たなければ女は花嫁にされ、男は食われる。


 などといった迷信だ。ちなみにお守りについては島に着くと百円で売りつけていた。観光客のほとんどが記念として買っていて、私も興味があったので手に入れたが、中身は石が入っているだけだ。


 価値はない。


 宿泊施設に泊まるとゴミ箱へ捨てて取材を続ける。


 田舎の村といった感じで、これといって特徴的なのは見当たらない。資料館を訪れても入植の歴史が書いてあるぐらいだ。巨乳の女性が館長だったのが唯一の収穫か。


 人気のビーチは遠浅の海で遠くに黒い岩が見える。


 地元の人間に近寄るなと言われたが、俺は言うことを聞くつもりはない。


 明日にでもゴムボートを使って乗り込むつもりだ。


 よし、今晩は景気づけに飲むぞ!

 

 ――――――


 20XX年X月X日。

 帰還予定の自称ジャーナリスト上田浩介は、離島を訪れてから姿を消して戻ることはなかった。

 今年になって23名が消えている。


 警察機関は失踪者として登録するだけで、まともな調査を行うことはない。


 来年、再来年も同じだろう。


 誰も白装束の怪異に関わりたくないのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ