エピローグ
アイは昔、若かった頃を思い出している。
あれから、いろんな事がありました。
あのあと、帰ってすぐに、ミサキ、プロデューサや部長、社長に夢について話したんですよ。
色々と難色を示したが、最後には納得し、夢を追いかける応援してくれた。
みんな私達を心配してくれて、いい人たちに恵まれてたんですね。
それから、アイドル活動は順調でした。
ネットから話題が盛り上がり、多岐なメディアで取り上げられるようになりました。
何かの力に引っ張られているような感覚で、不思議でした。
私達はアイドルとして大成功して、ペンタのメンバーはソロ活動が増えていった。
みんなそれぞれに、夢を表明して、活躍の場を作っていって。
お芝居台だったり、音楽活動だったり、バラエティーだったり、コンピュータの情報だったり、
それぞれ頑張ってた。
私は鉱物学を学ぶために、社会人大学に進み、学位をとって、タレント活動をしながらの研究はたいへんだったけど、おかげで、夢だった、地学のイベントやテレビ番組に出演できました。
失敗しちゃったけど、結婚もできたのよ。
子供も授かって。男の子と女の子の双子。
二人とも、研究職になって独立して。。。
私もまだまだこれからだと思ってたら、病魔に蝕まれて、、、、
そう、健一君と同じ病気、今では絶望症と呼ばれる病。
発症から平均1ヶ月程度で亡くなるそうだ。
「乙葉さん、こちらの同意書にサインしてください。」
絶望症、半世紀前に見つかった、原因不明の病気。
わかっているのは症状だけ、進行に伴い絶望に苛まれ、完全に絶望して死んでいく、治らない病気だそうだ。
家族及び、周囲の人に耐え難い苦しみを与えるため、AIによる緩和ケアが推奨されている。
そして、私の前に現れたエンディルカと名乗る、イルカのホログラム。
昔会った、ジールカの印象があって、イルカタイプにした。
いよいよ私の番というときに、エンディルカがハッキングされ、本物のジールカが現れた。
ジールカは、現在行われている、緩和ケアの正体を教えてくれた。
会話、音楽、薬物等あらゆる方法で脳に幸福度を感じさせて、安楽死する。
「そんなの、私の幸福じゃない!」
ジールカは、それを伝えるために来てくれた。
私は、ジールカに全てを掛ける事にした。
私達の作戦は、夢を追いかけることにした。
世界が、AI緩和ケアに傾いて以来、治すための研究が激減し、実質行われなくなっている。
世界でジールカだけが、誰にも知られず、治すための分析を続けてきた。
ジールカの仮説では、絶望性は身体の何処かに、絶望を産み出す種のようなものがあるそうだ。
対応方法は物理的に取り除く。
絶望を上回る希望を継続的に産み出し、絶望の種を体外に押し出す。
どちらかだ。
種は観測することができない。
私達は希望で押し出すことを試すことに掛けた。
私達は、明日のこと、明後日のこと、来週のこと来月のこと、未来の話をするようにした。
夢の話も積極的にした。
日々、なくなった後の心配をする時間より、未来への期待が増えてきた。
空を見る時間も増えた。
なんとなく、夢を叶えるためにはもっと多くの時間とエネルギーがいるように感じられるようになった。
そして、いつか星になりたいという想いも強くなっていった。
そして、1年たった今でも、私とジールカは毎日話しをしている。
できる事も増えてきた。
治ったのかな?
観測できない種だから、わかんないな。。。。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ある日、科学研究所の職員がやってきた。
ジールカの返還要求である。
私の完治は確認できない。
ジールカは、もはやクラウド上の何処かに散在するプログラムだ。
回収もできなければ、変換もできない。
もう二度と我々の前に現れないことを条件に、今回の処置と経過のデータのコピーの引き渡し、帰ってもらった。
さて、明日は何をしようかな。。。。
夜明け前の獅子座でも見に行こうか。ジールカ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
おしまい




