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Abyssers  作者: Higasayama
Abyssers Season.1
49/56

FILE:49 ―― リベンジャー

 ――埴と桃田の静かな攻防は続く。

「アスレチックは君の警官隊で潰されて、ゾンビ対策チームは僕のアスレチックで潰した。それで次は? 」

「上手いこといかんもんやなぁ」

「だよねぇ」

 埴は腕を組んで、「分かる分かる」とでも言うようにわざとらしくうなずく。すると。

「あ、思い出した」

「なんや」

「アビスにもう一つ指示出してたんだ。伊形の組長殺した後、()()()()()って」

 その発言を受けて、桃田は一瞬ぎょっとしたが、それでも何か閃きそうに呟く。

「あー……そうなんや。そうか、いや……そうか」

「どうしたの」

「いやなに、鉞を殺したアビスを、えげつない女ヤクザが狙ってるハズなんや……運が良ければアビスもソイツもここに来るかなぁって」

「何でアビスがここに? 息子はいないのに」

「向かわせてんねん。()()()()()()

「君、それ……なんで? 」


 ――アビスは東京を縦横無尽に疾駆する。

 目的は、事前に中室より指示を受けていた、鉞ともう一人、コウジを抹殺すること。

 同時に、コウジや左門たちは皇居に向かう。左門もまた、鉞を殺したアビスがコウジを狙うと直感していた。

 そんな中、最も早くアビスと接敵したのは、()()()()()()()()()()()()()()だった。

「アドニス気をつけろーッ! 」 

 常軌を逸した速さで移動するアビスと、鷹邑の運転するキャンピングカーの並走。アビスは車を気にも留めていないが、鷹邑からしてみればそうもいかない。

「(ここで仕留めるか……!? )」

 彼の思考に選択肢が渦巻く。そもそも、挑んだところで勝てるのか? 人生は一度しかない。その命を賭けるべきは、果たしてこの場所なのだろうか?

「もちろん賭けるねェエーッ!! 」

 アドレナリン全開のチャンピオンに躊躇はなかった。

 鷹邑は時速八十キロで並走するアビスの横からキャンピングカーを衝突(ぶつ)け、歩道沿いのカフェまで吹き飛ばす。

 アビスは倒壊したカフェから飛び出ると、標的を鷹邑に移した。

「来るなら来いよデカブツ! 」

「バウッ! 」

 アビスは即座に追いついてキャンピングカーの後部に取り付き、後部ドアを剥がして車内の一人と一匹を視認する。

「はえぇよ馬鹿ッ! 」

 鷹邑は爆走する車のドアを開け、アドニスを抱いて飛び出す。さんざん傷を負いながら転がりつつ、なんとか懐からリモコンを出してスイッチを押す。

「くたばれ! 」

 遠くのキャンピングカーが木っ端微塵に爆発。轟音に噴煙が立ちのぼり、衝撃波で鷹邑とアドニスの毛がなびいた。

「公孝に貰ったリモコン爆弾が早くも役に……あれ? 」

 このアビスは超再生の能力を持つ。たとえ爆発に遭ったとしても、脳と全身のうち三十パーセント以上の体細胞が接続されていれば、そこを起点に再生が始まる。

 つまり、脳を粉微塵にしない限りは、このアビスは()()()()()()()()()




相手にとって不足なし。次回へ続く。

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