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ヒロイン(悪役)の前世が覚醒した結果

作者: 碧海ぴいす

低気圧による→雨による に変更いたしました。

「おっと~?」


 聖女の力の有無的なことをする重要な儀式の際中。


 なんだか目の前が光っているが、それよりも私はとんでもなく複雑な事態に気づいた。


 この世界は、作中作中作である。


 まず登場する作品は、乙女ゲーム「月降る夜、君と会いたい。」だ。

 ……月じゃなくて雨だとか星だとかいろいろあったでしょうよ。月とか降ったら大事件だし。

 兎にも角にもこれを初めて聞いたとき、元厨二病はなんだかいろいろえぐられた。


 えぇ、えぇありましたとも!!

 こんな風にたくさんの痛い名前を量産しましたとも!!!

 決して月を降らしたことなんてないけどね!!!!



 そして、そのゲームではヒロインと悪役令嬢なるものが出てくる。悪役令嬢が攻略対象のルートを邪魔してきて、みたいな感じ。

 いわゆる普通のざまぁである。


 ……乙女ゲームエアプですけども。ほんとに悪役令嬢が出てくるタイプのものがあるのかなんて知らないですけども。



 で、次に出てくるのが、小説「断罪なんてとんでもない!!いろいろ回避に動いていたらいつのまにか溺愛されてました」だ。

 ネットノベルス特有の長いタイトル。


 先の乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったブラック企業ジャパニーズOLが一生懸命頑張っていたら、いつの間にか性格の悪さが露呈していたヒロインが逆にざまぁされて……という話である。一言でいえば、溺愛ものだ。それも、総ハーレムである。


 総合ランキング第4位というところに惹かれて読んでみた。

 正直言えば面白くなかったし、作者が私ですら知っている人気ユーチューバーらしき名前だったこともあって『知名度かなー、これは』とか失礼なことを考えた。


 実際、小説の内容も無駄に幼稚で、黒歴史を経験してきた私には、色々悪い意味で刺さった。

 転生主人公の行動に共感性羞恥を覚えることになったのだ。


『別にそこまで頑張って読む必要ないよね』という結論ののちもう読まなくなったのだが、総合ランキング100位以内の傑作も傑作な作品を読んできた私にとって、あのレベルの作品は衝撃的すぎて逆に鮮明に覚えている。


 そしてそのまま総合ランキングに載る作品を読む1ユーザーだった私。


 ここまでなら、作中作の構成(?)になってる小説を読むOLだけだったのだが……話が変わってしまった。


 現在私はOLではない。

 そりゃそうである。

 OLが聖女の能力うんぬんかんぬん言ってたら病院を紹介されること間違いなしだ。


 私は──ざまぁされる予定のヒロインである。ステラ・ルナリスだ。


 しかもこいつ。悪役令嬢に淘汰されるヒロインだったはずなのに彼女より爵位の高い令嬢。

 鮮明に覚えている割に悪役令嬢とやらが誰だったかはわからない。が、こちらは伯父が帝国の王という公爵家の令嬢だし、現在伯父に娘はいない。つまり、今のところ世界中の令嬢の中で一番くらいの高いのが私なのだから、悪役令嬢のほうが位の低いことくらい明白である。


 ……なんだって爵位の高い人に突っかかっていく設定のゲームだったんだろう?

 作者の設定の甘さが垣間見えるなぁ、と思う。



 たしか、転生令嬢は絵にかいたようなブラック企業で戦い抜いてきて、かつなぜか乙女ゲームに精通している初心でかわいい(笑)の女の子だったはずだ。

 乙女ゲームする間もなく寝ろよ。というか、してもいいけどそんなブラックならいちいち家に帰ってこないほうがいいだろ。といった感じの、裁判やったら勝てそうなブラック企業だった気がする。

 この記憶が正しいかはわからないけれど、まぁ読んだことのある悪役令嬢系はだいたいこんな感じだったし。


 対してこちらはホワイト企業でのほほんと暮らし、ネットノベルスを愛好しつつもそれなりに友人に恵まれた正真正銘ただのモブ。そもそも死因が公園でまどろんでたら馬に轢かれました、である。それも、父方の実家である外国のド田舎で。

 可愛いに対する免疫だってない。令嬢みたいなフリフリ服、自分がやってると思うと耐えられない。

 ……大きなところは変わらないようで、今世の記憶でもフリフリ服着てた記憶はないけれど。

 見てるだけならあらまぁ、で済むんだけどなぁ。


 そんな私たちには決定的な違いがある。


 それは、あちらは前世から小説の住人、かたやこちらは前世は歴とした3次元の生身人間、ということだ。

 もちろん、小説の描写はイラストじゃなくて写真にすべきじゃないのかってほどには、あちらも生身の人間ではあるのだが。

 少しなんというか、生きる世界が違う。


 覚醒的な感じなのか過去の記憶も全然あるので生活に支障はないと思うけれど。別に前世を思い出したとてこの人生記憶は消えませんので。

 もし消えたとしたら、それは前世の覚醒ではなく体の強奪である。


 でも、覚醒ということは根本的な点は変わらないということ。となると、私は性格が悪いということなのか。


 目が笑ってないといわれることは前世も含め何度もあったが、罪悪感を感じやすい性質なので意図的に誰かを不快にさせたことはない。



 ん?……ちょっと待てよ。

 もしその乙女ゲームのヒロインとやらに私の前世が覚醒する、というのが定めだったとして。

 魂は変わらないのでそのヒロインも私であることは間違いないはずで。


 となると、小説をのほほんと読んでいた私は誰?

 いや、それも私であることに変わりはないんだけれど……私という魂は二つあるのか?

 それとも、私が死んだから特例的にヒロインに前世が?でも、それもヒロインが私であること前提だし、私が同世界線ではないにすれ二つ存在することに変わりないよね……?


 自分で考えておいてなにがなんだかよく分からなくなった。

 冒険ものでもなんでも、令嬢がでてくる作品では令嬢の頭がパンクしたときに必ずといってほしいほど倒れている。

 私だって倒れてしまってそれで終わりならそうしたかったが、あいにくとそんなことで意識を飛ばすほど柔じゃない。


 ──と。そのとき、私の周りで大きな歓声が沸き起こった。


「聖女様誕生だ!!」

「やったぞ!我が国に!!」


 そうだ。すっかり今自分がしていたことを忘れていた。

 でも、聖女能力の確認の儀式なんてほぼ形式的なもので、石板に手で触れて15分経った後、七色に光っているかどうか。それだけである。

 実際にその力を所持した人は世界的に見ても歴代に5人といないし、そんな確率の低いものに毎度大司祭が出ていては身が持たない。しかも今は収穫祭に向けての繁忙期である。だからこの時期は、とりあえず信仰心があるかもわからないようなアルバイト神官たちが執り行っているようだ。


 そんな大して重要視されていなかった儀式で見事七色の石板にした私は、ざまぁされるヒロインらしからず、その聖女の力とやらを持っていたらしかった。


 そういえば、本当にこいつざまぁされる気あります?というくらい設定もりすぎ令嬢であったのを覚えている。

 世界で一番位の高い令嬢、無駄に文武両道、聖女の力を持つ、ハイスペックな義兄(あに)、母に嫌われている、ミルクティー色の髪の美人、性格悪い……などなど。

 後半3つくらい若干首をかしげたくなる。


 母は昔の貴族を体現したような人であるだけで、母に嫌われているのではない。確かに私に無関心なのだろうなぁとも思うけれど、父が引くほど溺愛してくるのでバランス的にそんなもんであろう。


 そして、私は美人かと言われたら美人の部類かもしれないものの、わざわざ小説で描くほどでもない……と思う。もしかして、ここが性格悪いと繋がってくるのだろうか。


 ──まぁいっか!


 考えてもわからないものはわからない。

 必要事項は済ませたことだし、と未だ興奮冷めやらぬ神官らを置いて教会から出ようとする。

 聖女様誕生だとかなんとか騒いでいるが、聖女の力なんて癒しくらいである。

 そんなこと求めるくらいなら魔法にでも頼るか、医者に掛かってほしいものだ。


 あと、教会なんだからそんなに騒がないほうがいいと思う。

 私がスタスタと教会の(はつ)の間に戻ると、ふと真後ろから気配がした。瞬時に後ろを振り返り、バックステップをとる……も虚しく、抱き上げられた。


「エラ?勝手にどこに行く?」


 低く響く無駄に色気満載な声。義兄(あに)、ルカ・ルナリスである。

 兄は伯父の3人の男子のうち末子で、1歳違いの長男らとは違い、10歳以も上離れているので即位は難しい立ち位置にいた。そこで、一人娘しかいなかった公爵家の跡取りとするため父が引き取ったという。

 兄は。そのことをすべて把握したうえで(兄の叔父)とも伯父(兄の実父)とも仲は良好なようだ。



 ……それよりもおろして。


「お兄様、教会でそのようなはしたのないことはおやめくださいませ」

「おや、大司祭様に挨拶もせず出ていこうとしたのは誰だろうな」


 そういって兄は私を中の間に戻した。



 教会は、初の間・中の間・奥の間で構成されている。

 初の間は予約なしでいつでも訪れることができて、そこまで教会然とした雰囲気もなく小さい子が走り回るなどしている。……この時期では子供も皆仕事に忙しいのか、いつもいる農村の民の姿は見かけられなかった。

 中の間まではアルバイト神官のみの式も許されていて、身分関係なく義務事項はここであげられるそうだ。

 最後、奥の間では厳正だったり秘密裏だったりする式が行われるところしい。身分問わずという体裁は取られているものの基本それなりの格がある者か、正職の人間しか入ることはない。


 今回私がしたのは中の間で、である。義務の式だから、当たり前だ。

 この国の教えの基本は『命の重さは平等』であるため、アルバイト神官が公爵令嬢の式を執り行っていても問題ない。ある程度は相手の身分に配慮して丁寧に行動する必要はあるかもしれないけれど、神官自らの身分はどうでもいい話だ。


 基本この時期の大司祭は初めの顔見せに来るだけ。帰りを見送るのも神官だし、挨拶なんていらないだろう。

 うだうだ考えてみるけれど、結局のところ言いたいのは『面倒くさい』の一言に尽きる。


 当の大司祭は光輝く石板の前で頽れて、「聖女様、聖女様、」となにやら呟いているし。

 40代と若いらしいのに、頭はつるつる。現在の姿勢では頭がちょうど七色の光に反射して輝いているのが少し可愛く思った。


 半ば無理やり戻された中の間には、もう神官たちの姿はない。鶴の一声ならぬ兄の一声だろう。


「──お兄様はなぜここに?」

「俺が付き添いで来ていただろう」

「違います。伯父上に呼ばれたとかなんとかおっしゃっていたじゃないですか」

「あぁ、あれな。終わったよ。で、帰ってきて奥の間で大司祭と仕事の話を進めていたら、急に大声が聞こえたというわけだ」

「なるほど」

 適当に頷いておく。


「にしてもエラが聖女な。またちょっと伯父上のところに行かなきゃならない」

 そういって私を引っ張る兄。


「大司祭様。私たちは裏から帰らせていただきますね?」

 まだ魂が抜けている大司祭に向かってそれだけ言うと、兄は私の手をつなぎ、奥の間までの厳かな雰囲気を持つ廊下を歩き始める。

 なぜか私は権力を感じた。


 あるところまで来ると、突然壁を撫で始める兄。隠し扉になっていたようで、あっという間に裏門らしきところについた。忍者みたい。


 そこでやっと思い出した。

 今日、初の間通ってない。いや、式ということで一応通ったは通ったのだが、正式なルートではなかった気がする。


 そら初の間を通るような方法で帰ろうとしたらどこへ行く?となるだろう。馬車も何もかもおいてある場所が違うのだから。


 普通のお話のヒロインならば、いつも歩いて帰るのよ!馬車なんてなれないわ!!と言いそうなものであるが、ここはずいぶんと田舎である。前世の父方の実家のようで、ここ本当に帝国の王都?というくらいにはゆったりとしている。


 が、これで世界一の勢力を持つ国なのだから仕方あるまい。

 きっと作者のユーチューバーさんは田舎に住んでいたのであろう。


 というわけで、要するに歩ける距離じゃないのだ。

 ちょっと歩いて帰るね!で教会から王都内のほうの邸まで15キロとかなんの苦行だ。


 王都の中でもまだ近い位置にあるのでこれでまだましなほうなのだけれど。


 ある意味帝国らしく、土地が広いからそこまでものを詰める必要もないということだろう。


 兄は、私を馬車に詰め込むと、教会の花壇を物色していた御者を呼び寄せ、先に邸に戻るように言った。

 なんでも、「俺が伯父上に伝えてくる」だそうで。

 転移魔法を使えていいですね、お兄様。私だってできるのに、まだ使わせてくれないらしいです。


 厭味ったらしく毒づく私の心とは裏腹に、私を乗せた馬車はゆっくりと穏やかに動き出した。


 

◇◆◇


 雨音がする。

 それも大雨の。

 低気圧である。


 作者の盛り込み設定の被害を受けているのは多分悪役令嬢ではなくて私だ。


 ヒロインが性格悪いのに乙女ゲームで愛されてたのは、なにかしらのデバフ設定があったからだとでもいうのだろうか。


 これまで誰にもバレていないのは半分流れる日本人精神により培われた人格までもを侵食する我慢強さと、淑女教育の賜物だろう。


 違う。嘘ついた。

 確かに多少の不調ならポーカーフェイスは貫けるだろうけれど、そもそも私の症状は軽い。ありがたいことに。

 この国は梅雨・台風なしの日本くらいの降水率だし、なぜかこの世界自体晴れか雨か雪しか存在しないから曇りとかいう微妙な気圧に苦しむこともない。

 絶妙に意味のないただ可哀そうなデバフ設定である。

 そんな別に誰か攻略対象にバレるわけでもないものを、しかも悪役側につけてイベントが発生するわけもない。どうするのだ、作者。


 でも、いつもはそんな風に軽いというのに今日はそうじゃなかった。シンプルに雨脚が強いのだ。ただでさえ健康体で、慣れないデバフが急に主張し始めるというのは辛いものである。


 ただ、そんな今日に限って伯父への謁見である。

 どうやら聖女の力が本当かを国王の前で確かめるのだとか。


 なんで今日、というのが本音で。しかし、謁見というだけあって、正式な場なので断ることもできない。

 国王に移すようなものでもないし。

 いつもより重いといってもちょっと頭になにかが突き刺さる程度だ。このままランニングもなんなら余裕だろう。


 大丈夫大丈夫。


 ふぅと息をついて、侍女がノックするより前に起き上がり、軽く支度を始めた。


 ◇◆◇


 なんだ、案外行けるじゃん。


 昨日と全くおんなじことを王と公証人の前でして、伯父上としての彼と少し話をして、それで終了。

 この話は1時間後にでも国中をめぐって、釣書がもっと届いちゃうかもね、などと茶目っ気たっぷりにウインクされた。

 本当にそんなことになったら父は大変である。

 この収穫祭へむけての時期はただでさえ忙しいというのに。なんかごめんね、と思った。


 で、帰宅してきて今。

 衣装は重かったけれど、それだけ。ホームドレスに着替えたらもうなんてことない。

 体の不調らしきものもない。

 なんなら、朝のあの感じも消え去ってしまったくらいである。



 ……なのに、現在私はベッドに連行されんとしていた。義兄(あに)の手によって。


「お兄様。私は大丈夫だと言っているでしょう」

「いや、そんなことはない」

「はい?」


 なにがどうして、そんなことはないと言い切れるのか。是非とも懇切丁寧に説明していただきたい次第である。

 不調を隠しているならともかく、全然元気なのだから。


 兄は、不機嫌そうな顔でハァと息をつき、私の私室行きに歩んでいたであろう方向をくるりと変更っした。

『これは反発したらやばいやつだ。』と判断した私は素直に兄に従う。


 普通の貴族の本邸並か、それ以上に不必要に広い邸。兄が歩みを止め、がちゃりと開けた部屋は兄の私室だった。


「エラは俺に感謝することになる」

 そうやって座らされたのは、兄の私室のソファだ。


「俺がどの属性の魔法を使えるか知っているか?」

「闇と──水?でしたっけ」

「そうだ。そして闇は光と同様に、聖女の力と似たようなことができる」

「それが、どうしたのです?」


 そんなことは知っている。

 闇属性・光属性というのは、軽い処置といったこともできる。

 聖女の力の象徴である治癒とは少し違うようだが、大体はそう変わらないように思う。

 だから、そこまで皆が聖女の力を喜ぶ理由とは──栄誉とかそういう名ばかりのものなんだろう。


「エラは賢いのに、普段の生活はとんだおバカさんだ」

「悪かったですね!!」


 若干私がむくれると、兄は苦笑した。


「……つまり、誰かの不調に俺が気づけてさえいれば、一時的な処置はできる」

「で?」

「仕方ない。恨むなよ?」


 言うと、兄は私の頭を撫でてきた。


 朝にもこんなことがあった気がする。だいぶ長くされたから、すぐに思い出した。



 ──痛い。


 起きた時の痛みの何倍も。


 でも、兄の前でそんな顔をするのはなんだか癪で、なにもない風を装う。

 が、兄の洞察力はそんなものではなかった。


「ほら、痛いんだろ?いつものが効かなかったみたいでな。魔法を強めておいたんだ」



 私はハッとした。

 雨の日、雪の日。兄は、私の頭にごみが、とかなんとか言って頭に触れてきた。雨が降る数時間前くらいに。


 無駄な記憶力はあるのだ。悪役令嬢の名前は忘れてるけれど。


「雨によって引き起こされる魔力痛だ。エラは体の発達に魔力の大きさと釣り合ってないんだろう」


 天気痛ではないみたいだ。文武両道と謳われる私だが、そんなこと初めて知った。兄は私の頭にポンと手を置く。また痛みは和らいだ。



「エラは体の発達が遅れているというわけでもないし……単純に魔力の量が多いだけか。俺くらいの大きさにならないと解消されない」


 えっ?無理では?

 兄の身長は190㎝強あるだろう。それに、細身と持て囃す令嬢の正気を疑いたいくらいには嘘みたいに筋肉質である。

 こちらは160㎝行くか行かないか……くらいだ。無駄なボンッはあるけれど、そんなところに魔力が詰まるわけもない。


「それではもうどうにもならないではありませんか」

「通常なら、そうだろう。聖女の力を自分にかけることもできないしな。兄弟という間柄だけだと常にいてやることもできない」

「そらしょうでしょう」

「だが、王命が下った」


 兄はいたずらぽく目を細め、私の瞳を覗き込む。


「結婚だ」

連載版にするときにはまた少し変わっているかもしれません!!

作者が現在書いている連載の反省を活かして頑張ろうと思っておりますので、改善点や評価をいただけたらうれしいです!!

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