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巻き込まれて異世界に来てしまったけど、聖女とか関係ないのでのんびりします。

12.


美奈の家となった山小屋を見た瞬間、ロイはとても深い安心感に見舞われていた。

「・・・・・・これは、一体・・・・・・」

穏やかな空気がその周りを閉めているようで。城や城下では感じることのできない安心感に、ロイは驚いていた。その証拠に、一緒に来ていた護衛を兼ねた補佐官から、緊張感が抜けてしまっているのが解かり。ロイはたった2~3日だけでこうも変わるのか。と馬を操りながら思っていた。そして、さらに驚くべきことは、ここまで来る道中、狂暴な動物にも、魔物にも会わなかったことである。

「・・・・・いくら美奈を住まわせるために、浄化を神官たちにさせたと云っても。ここまで、変わるものなのか?」

周りを見回して、ロイは呟く。心地よい風を受け、ロイは美奈の家の敷地内へ入った。

2日ぶりに会う美奈は、城にいた時よりも元気そうで。ホッとして、室内を見る。すると、狂暴で人食いと呼ばれている狼が、大人しく暖炉の前で丸まっているのを見つけた。

「・・・・・本当に狼が。美奈、怪我をしているのを保護したと聴いてはいますが。まさか、このままここに。と云う訳ではないですよね?」

「えっとぉ・・・・・。一緒に暮らそうと思ってる。」

「狼とですか!? 危険です。」

どうにか一緒に暮らすことが、いかに危険かを説くが、美奈は大丈夫の一辺倒で。どうしても、折れないのを感じ取り、ロイは最終的に一緒に暮らすことを許すしかなかった。

話しを聖女と第1皇子の話に変えて、美奈が出してくれていたお茶とお菓子を口にする。素朴な味がするお菓子を食べて、ロイはほっとしていた。

「・・・・・程よい甘さがして、それにしっとりとしていて・・・・・。美味しい。」

「へへ。それなら良かった。」

美奈が少し照れ笑いをするのを見て、ロイも思わず笑う。

(・・・・・中に入ってからも、なんだか心地の良い、柔らかさがあって。とても、やすらげる・・・・・・・)

と思っている内に、ロイの意識が無くなった。


ソファで眠るロイを見て、護衛兼補佐官であるヤンは驚く。美奈から話を聴いた時は、そんなことはないと。思っていたのだが。実際に、眠るロイを見てしまってはなにも云えなかった。

「殿下が・・・・・。このように眠るなんて・・・・・・。」

いままで見たことがない。と、ヤンは驚いた表情のまま美奈へと振り返る。

「お、起こした方が良いかな? でも、疲れているのなら、少しこのまま寝かせてあげたいかなぁ? って・・・・・。」

「あ、も、申し訳ございません。殿下がこのように眠っているのを見るのが、護衛に就いて初めてでしたので・・・・・。」

「このあと、なにか予定があるのかな?」

「いえ。今日のこの訪問のために、午後からの予定はすべてキャンセルされています。」

「そっか。なら、このまま寝かせておこうかな。・・・・・えっと、ヤンさん? お茶でもどうですか?」

笑って云う美奈に、ヤンも肩の力を抜いていた。

温かいお茶を飲み、和やかな雰囲気に包まれて、ヤンの瞼もだんだんと落ちてくる。

(・・・・・これは。殿下が眠られたのも、解かる気がする・・・・・。マズイ。俺まで眠くなってきた・・・・。護衛である俺まで寝るわけには・・・・・・・)

必死に睡魔とあらがっていたのだが。気付けば、ヤンも眠ってしまっていた。

「・・・・・どうしよう。2人とも寝ちゃったよ。リル」

美奈が眠ってしまったヤンを見て、暖炉の前で丸まっているリルに話しかける。リルは、片眼を開けると、体を起こし軽く伸びをし欠伸をした。

〈そいつも、そこのソファに運ぶか。美奈〉

どうやっても起きないだろう。とリルが云う。美奈は、頬を掻きながらリルに運んでもらうように頼む。リルは、首根っこを咥えるとロイを運んだ時と同じように、ソファに運んだ。


〈〈・・・・・・この雰囲気は誰もが緊張を無くして、休んでしまうだろうな。にしても、コヤツがこんな風に無防備に寝ているのは・・・・・。〉〉


ククッ と喉の奥で笑うと、リルは美奈のところへと行く。美奈は、毛布を創造していた。

〈寝かせたぞ。コヤツら、全く起きないのは、笑ってしまうな。ナニをしても、起きなさそうだ〉

「普段から仕事が多くて、疲れてるからだと思うけど。この後の仕事はないみたいだし。起きるまでこのままにしておくよ。」

笑って答える美奈を見て、リルはくああ。と欠伸をした。



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