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3XXX  作者: 紫電
8/59

休息

時刻は18:00。

俺は先ほどまでいたデパートの中に飲食店を複数見つけていたため、その中でよさそうな店を選ぶことにする。


この町の郷土料理の店。ここがいいだろう。

中に通され、三人一緒の席に座る。各々、自分の食べたいものをオーダーしていく。

俺は、名物らしいフィッシュアンドチップスをオーダーし、しばらく待つ。


10分ほどして、料理が運ばれてくる。揚げたての魚のフライから漂う湯気と芳香が、五感を刺激する。

久しぶりに屋内で行う食事だ。楽しんで食べよう。


まずは魚のフライを一口。アジだろうか。小骨の一本もなく、非常に食べやすい。外側の衣はザクザクと迫力のある音を出しているが、中の身はほわほわして溶けていくようだ。



「「「…ごちそうさまでした!」」」

多幸感に包まれながら会計を済ませて、また宿へ戻る。

今回の宿には大浴場が付いているそうだ。風呂好きの俺からしたらありがたい話だ。


宿に着き、風呂へ向かう支度をする。部屋に備えついていたタオルと着替えを持って、宿の1階にある大浴場へと向かう。二人は部屋に備え付けであるシャワールームで良いとのことだったので俺一人だ。

俺は長風呂な方なのでむしろ好都合かもしれない。


「ふぅ…」

久しぶりの風呂で体から悪いものがすべて抜け出ていくような感覚を覚える。

ただひたすらに心地がいい。

肩にお湯を当ててくれるような仕掛けがある風呂を見つけたので入ってみる。

「おぉぉおぉお…これヤベェな…」

風呂に入りながら肩をマッサージされている感覚。これは極楽。

露天風呂もある様なのでそちらの方にも向かう。

屋内の風呂に比べるとサイズは小さいが、外であるが故の解放感と爽快感は代えがたいものがある。

一通り風呂に入り終えたら次はサウナである。

暑い。ひたすらに暑いのにどこかすっきりする。不思議な物だ。

最後に火照った体に桶に入っていた水を少し掛ける。冷たいが心地いい。

久しぶりのお風呂を満喫したところで二人の待つ部屋へ戻る。


「ただいま。極楽だった。」

「それはなによりですわ」

「お帰り。トランプでもしようぜ。」

と、もはや冒険とは言えない緩み切った状態ではあるのだが、まあそれも良しとしよう。とことんやってやる。




「さすがにもう寝ようか…。」

「賛成…。」ですわ…。」


…遊び疲れちゃった。


そんな感じで、3つある馬車が停車する町のうち、最初の町での生活は終わりを告げた。



-翌朝-


昨日は旅の疲れと遊びの疲れで3人とも泥のように眠っていた。

もちろん、夢なんて気にする余地もないくらい。


現在時刻は8:00。チェックアウトは馬車の会社が代わりにやってくれるそうなので、出発時刻まではしばらく余裕がありそうだ。

…アレ。試してみるか。

親父からスマホの使い方を教わった時に聞いたアレ。そう。

『カメラモード』だ。

カメラのアプリを起動して…と。まずはルセイの間の抜けた寝顔でも撮ってやるか。

この真ん中のボタンを押すんだったな。

それにしても緩み切った顔してるな…落書きでもしてやりたくなる。


よし。撮れた。後は…この窓から見える綺麗な海でも撮っておくか。

こうして撮った写真を旅が終わった後も見れるって言うんだから良いよな。

思い出がはっきりと形として残る感じがしてすごくいい。


その後俺は2人を起こし、馬車の出発場所へと向かった。

次なる目的地は2つ目の町、エスペランスだ。


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