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3XXX  作者: 紫電
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静岡へ

なんやかんやあって前世の記憶を取り戻した俺は、かつての故郷へ向かうため、旅を続けている。

スクリードとしての記憶も残っているので、この世界の現状は知っている。

俺たちがやっていた戦争で、こんなにも後世の人々に迷惑をかけてしまっていたとは、本当に心苦しい限りである。

そんな我々の負の遺産である魔物たちと戦って、ここまで旅を進めてきたわけだ。

今日もそんな旅路は続く。

今日は元々浜松市があった場所から、静岡市があった場所まで進んで行く。

旧文明のころなら数時間で着く距離だが、今の文明レベルは蒸気機関ができる前の水準まで落ちてしまっている。

自転車で半日漕いで、やっと着く距離だ。


さぁ、ここからはスクリードとして旅を続けることにしよう。

仲間たちと一緒に、自転車を漕いでいく。

そんな日常も、なかなかに楽しいものだ。


しばらくして、お昼時。

海岸線を走ってきたので、海を見ながらお昼ご飯を食べることにしよう。

仲間たちと駄弁りながら、昼食をとる。

「なぁなぁスクリード。旧文明の景色ってどんなんだったの?」

と、ルセイが聞いてきた。

「う~ん…俺はあんまり好きじゃなかったな~。今と違って自然もあんまり無いし。ただ交通の便が豊富だったのは今より良い点かな。」

「ふーん。でも、見てみたいもんだな、世界が一番繁栄していた時をさ。」

繁栄、か。

果たしてあの時代は本当に繫栄していたといえるのだろうか。

澱んだ空気で、争いが絶えなかったあの時代。

本当にいい時代だったといえるだろうか。

少なくとも俺は今の時代の方が好きだな。

俺が世界の黒い部分に長年触れていたからかもしれないが。


お昼休憩を終わらせ、旅は午後の部に入る。

しばらく走っていくと、山を越えないといけない場所が出てきた。

困ったな…こういうところは魔物が出やすい。

そんなことを考えていたからだろうか。

ガサガサと嫌な音がしてきた。

茂みの中から出てきたのは…。

馬の体に、シカの頭がついた魔物。キメラだ。

こんな魔物まで発生させたのかあの原爆は…。

かわいそうだが、相手が敵意を向けている以上、討伐するしかない。

いざ尋常に、勝負。


いつも通り、俺とルセイのコンビで間合いを詰めて、攻撃を仕掛ける。

足に一撃。

敵がひるんだところで首に攻撃を仕掛けるが、これは避けられる。

一度体勢を立て直すため、距離をとる。

距離をとって、射線上に仲間がいなくなったことにより、ソフィーが弓を打ち始めた。

胴体に何発か当たり、敵へのダメージが蓄積する。

敵もそろそろ危ないと考えたのか、逃走を図ってきた。

深追いする道理もないだろう。

追いかけようとするルセイを制止し、敵を逃がしてやる。

俺はもう、むやみに人や動物を殺したくはない。

それは魔物でも同じだ。


山を抜け、日差しを背に受けて走る。

富士山がだいぶ大きく見えてきた。

今日の旅路ももう終わりを迎えようとしている。


もう少し走り、日が落ちようという頃。

今日の目的地、旧静岡市へと到着した。

この町で一泊したのち、目的地である横浜へと向かう。

明日は1000年越しの里帰りだ。


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