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3XXX  作者: 紫電
55/59

かつての記憶

_________________________


ここは…?

夢の中なんだろうけど、今までと雰囲気が違う。

周りは暗く、見渡す限り何もない。

と、その瞬間。

今まで見た夢の記憶に加え、サクラダさんの記憶と思われるものが映像として脳裏に浮かんできた。

その情報量の多さゆえに頭を抱えてうずくまる。

F-35A戦闘機?第一飛行隊?航空自衛隊?

二等空佐?戦争?第三次世界大戦?

いくつもの記憶が頭の中になだれ込んでくる。


「桜田君。落ち着いて聞いてくれ。敵が【神の鉄槌】型原子爆弾を横浜に投下した。」

「そんな…私の故郷が…。」


「桜田二等空佐!今行くのは危険だ!」

「いいえ上官。今行くしかないんです。私にはもう守るべきものは無い。」


そうか。そうだった。

やっと思い出したよ。

俺は桜田正義。

航空自衛官だ。


_________________________


…。

どうしたものか。

このスクリードという体の記憶は引き継がれている。

この仲間たちのことも覚えてはいる。

しかし、昨日までと同じように接することができるだろうか。

俺は前世の記憶を思い出してしまった。

いや、今までも断片的に『夢』という形で少しずつ思い出してはいたのだが。

いっそ、仲間たちにはこのことを話してしまうか。

隠し事をしていても仕方ない。

俺…スクリードは、桜田正義の生まれ変わりであると。


「…というわけなんだけど…。」

「そんなことが…いやしかし…。」

仲間のみんなに説明する前に、まずは親父に説明している。

やっぱり状況が呑み込めていないようだ。

「まぁ…でも、桜田正義である前にお前は俺の息子だ。そこに変わりがないならいいじゃないか。」

「そういうもんなのか」

ウチの親父は案外楽観的なようだ。

この調子なら仲間たちに話しても大丈夫そうかな。


「はえ~。ほんとにそんなことがあるんだねぇ~」

「興味深いですわ~。」

「なんかかっこいいじゃんスクリード。」

…仲間たちに話した結果がこれである。

興味ないのかな!?

物分かり良すぎるよねぇ皆様方!?

まぁいいや。

みんなが気にしないのなら、このままスクリードとして旅を続けるのもいいだろう。

それじゃ、今日も今日とて、この日本を旅していくことにしましょうかね!

今日の目的地は静岡。目的地となっている横浜まではもう少しだ。

今回も原子爆弾に付いている放射線発生装置の停止が目的の様だ。

同盟国のスパイからその情報は聞いていた。

装置を停止させる手順は把握している。


原子爆弾が落ちてから、俺は横浜に行っていない。

かつての故郷がどんな姿になっているのか。

想像したくはないが、一応見ていかなければならないだろう。


しかし、文明が後退したこの世界には車も電車も無いんだったな。

じゃ、今日も自転車を漕いでいきましょうかね。


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