サンショウウオ
陣形を組んで敵と対峙する。
まずは前衛、俺とルセイのコンボで攻撃を畳みかけてみる。
しかし、敵は両生類。
ぬめぬめとした粘膜の皮膚は、刃物を受け付けない。
この時点で俺とルセイは戦力外だ。
親父の両手剣なら質量で押し切ることができるかもしれないが…。
しかし、早く判断しないと危なそうだ。
敵は攻撃の素振りを見せている。
俺とルセイは一時退却。
質量で勝負できそうな親父とスティーノにバトンタッチだ。
ソフィーの弓矢はこいつに効くのだろうか。
「おーい!ソフィー!一発あいつに向けて撃ってみてくれ!」
と、呼びかける。
「了解!」
その返事とともに、ソフィーはクロスボウで狙いを定め、引き金を引いた。
矢はものすごいスピードで飛んでいく…が。
矢は敵の粘膜の皮膚へ当たった瞬間、つるっと滑り、軌道が変わってしまった。
滑った矢は、明後日の方向に飛んで行ってしまった。
こいつにも矢は効かないのか。
ソフィーが不憫になってきたな。
ここまでの戦闘で弓矢が決定打となった戦闘はオーストランドでのサソリ戦からは一つもない。
もう少し活躍させてあげたいところだ。
それはそうとして。
矢が効かないことが分かったので、後はパワー系のお二人に頼むしかない。
まずは親父が剣を振りかぶり、敵の頭めがけて振り下ろす。
流石に敵も危機を感じたのか、尾ひれで頭をガードする。
皮膚の衝撃吸収に加えて、尾ひれのガードによって、致命的なダメージを与えることはできなかったが、流石親父。
敵の尾ひれを切断することに成功していた。
それとほぼ同タイミングで、背後に回っていたスティーノがハンマーを振りかぶる。
虚を突かれた敵は、反射的にスティーノの方向を向こうとする。
そこに、日々の筋トレで鍛え抜かれたスティーノの一撃が来る。
スティーノの一撃は、見事に頭部にヒット。
敵は脳震盪を起こしている様子で、斬られた尾ひれをバタバタと暴れ回らせている。
そこへ、今が好機と親父が剣を振りかぶる。
その大きな剣からは想像もできないスピードの斬撃が、敵の首へと迫る。
今度はしっかり決まり、敵の首は胴と別れることとなった。
「お疲れ様。二人とも。」
と、戦闘を終わらせた二人を労う。
この二人は、強い。
基礎体力が俺らとはまるで違う。
てかぶっちゃけこの二人さえいれば道中問題ない説まである。
「おう。ありがとな。っていうかスティーノさん強くない?」
と、親父。
アンタ人のこと言えんやろ。
「お褒めに預かり光栄ですわ~」
なんかもうこの人に関しては慣れてきちゃったかもな。
言動と行動が見合ってなさすぎる。
それからは、特にトラブルはなく。
背に受ける西の空が赤く染まるころ。
日本三大都市圏の一つ、ナゴヤへと到着した。
今回の旅路も、もう半分以上のところまで進んできている。
ナゴヤの次はハママツ、その次はシズオカ、そして今回の旅の目的地であるヨコハマへと向かっていく。
まずはこの町、ナゴヤで十分に休息をとることにしよう。
この町の宿はどんなものがあるのか、楽しみだ。




