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3XXX  作者: 紫電
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オカヤマ

「いい作戦だったぞ、スクリード。」

と、親父が声をかけてくる。

お褒めに預かったのはいいものの、この人強すぎないか。

切断面が綺麗だもん。

包丁で野菜斬った時みたいな切断面してるもん。

おかしいでしょ。


その後は特にトラブルもなく、チュウゴク地方の森を抜け、今日の目的地、オカヤマへ到着した。

この町は、白桃が名産なようで、果物好きのルセイには嬉しい街となっている。


食料調達の目的で、宿へ向かう前にスーパーマーケットに寄ってみる。

オーストランドのスーパーマーケットとはだいぶ形式が異なるが、大方の食料が手に入る点では一致している。

折角だから名産のものを買っていきたいところである。


白桃、ブドウ、きびだんご…きびだんご?

…きびだんごってなんだ?

ポップに説明書きが書いてあったので読んでみる。

『きびだんごとは、黍の粉で作られた団子のことで、西暦1400年代から食べられています。』

2000年近く前から食べられている伝統的な食べ物の様だ。

おもしろい。一つ買っていこう。


スーパーマーケットを後にして、宿へ向かう。

今日はまた戦闘があって疲れたし、早く寝たいな。


宿に着き、一度休憩時間にする。

最近みんなあまりしゃべらないので、コミュニケーションの場にもなるだろう。

「みんなお疲れ。ロビーの売店でジュース買ってきたから飲もうぜ。」

「おう、サンキューな。」

と、みんなにジュースを手渡す。


しばらく雑談をした後、俺は前々から話そうと思っていたことを口にする。

「なぁみんな。最近俺、変な夢を見るんだ。」

「ふーん。どんな?」

と、ソフィーが返事をする。

「説明がしづらいんだけど…率直に言うと、旧文明の世界に夢の中で行っているんだ。」

「なんそれ」

と、ルセイが言う。まぁ、当然の反応だ。

「最近見た夢だと、金属だらけの超高層の建物が並ぶ世界に、おそらく【神の鉄槌】だと思われるものが落ちてきて、一瞬にして街が廃墟になる夢なんかがあったな。」

「確かに、不思議な夢だな。それはここ最近だけか?」

と、親父が食いついてきた。

「いや、前にも同じようなものは見たことがある。ブリスベンを目的地にして旅をしていた時とかがそうだよ。」

「なるほどな…」

「それに、不思議な夢はそれだけじゃないんだ。」

「ほう?」

「親父、前にヨコハマに顔見知りがいるって言ってただろ?」

「あー。サクラダさんな。」

「俺は夢の中でその人と名前が同じ人になってるんだ。その夢を見ているときは体が自由に動かせなくて、勝手に俺の体が喋るんだ。めちゃくちゃ不思議な感覚だ。」

「おいスクリード。その夢の時代は旧文明じゃないか?だとしたら夢の中でお前がなっている人には心当たりがあるぞ。」

夢の中で俺がなっている人に心当たり?

「まぁ、夢の時代は旧文明だと思うけど…空を飛ぶ不思議な乗り物に乗っていたし…」

「よし。おそらくお前が夢の中でなっている人っていうのはサクラダさんのご先祖様の、桜田正義さんだ。その人は旧文明が滅びるきっかけとなった戦争で、とてつもない武功を挙げ、英雄と呼ばれた人なんだそうだ。」

あの人はヨコハマのサクラダさんの先祖だったのか。

でも、そんなことがあり得るのか?

俺とサクラダさんには何の繋がりもない。

謎は深まるばかりだな。


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