不思議な夢
2週間後。特にトラブルもなく、船は終点駅に到着した。
俺たちは今、船の終点駅である、ナガサキにいる。
旅の目的地であるヨコハマからは離れたところにある町だ。
俺はこの国に詳しくないが、今はキュウシュウ地方というところにいるらしい。
これから4日ほど歩き、ヨコハマのあるカントウ地方を目指していく。
「なぁ父さん。ヨコハマは封鎖されているんだろ?この国じゃ父さんのコネも通用しないだろうし…どうするんだ?」
「コネが通用しない?あぁ、言ってなかったっけ。俺は派遣冒険者でこの国を担当してたんだ。ヨコハマの関所を管理してるやつとは顔見知りだから、大丈夫だぜ。サクラダさんって言うんだけどな。」
マジなんなんだこの親父の顔の広さ。
…ん?なんか聞き覚えのある名前が聞こえたような…
気のせいか。
現在時刻は17時。
ここナガサキの宿で一泊してから明日はシモノセキという町へ向かう。
この国での移動手段は、自転車という乗り物である。
なぜこの国だけそんなものがあるのかというと、旧文明の書物の中から作り方が出てきたらしい。
車輪が2つついていて、足でペダルをこいで進むそうだ。
他にもこの国には、旧文明の遺物が一定数存在しており、技術でほかの国の一歩先を行っている。
しばらくナガサキの街を歩き、今日泊まる宿に着いた。
今日は早く寝て、明日からの旅に備えるとしよう。
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…またここは夢の中の様だ。
っていうか。ここはどこだ?
いつぞやの攻撃的なフォルムをした物の中らしい。
あれって乗り物だったのか。
自分の目の前にはいろいろなレバーやスイッチ、メーターのようなものがたくさん並んでおり、何やら夢の中の俺の体がそれらをいじっているようだ。
というか、この体は本当に俺のものなのか?
この間はサクラダとかって呼ばれていたような…
そうこうしていると、急に耳に音声が入ってきた。
『桜田二等空佐、もう発進できるか?』
と。電話でもしてるのか俺は?
「問題ありません。行けます。」
と、俺の体が返事をする。
やっぱり俺が入っている体はサクラダという名前らしい。
名前からして日本人か?
俺とこの人になんの繋がりがあるんだろうか。
そんなことを考えていると、また声が聞こえてきた。
『第一飛行隊F-35A編隊、発進せよ。』
その声に合わせて、俺の体、もといサクラダさんの体がレバーを引き、乗り物が急発進した。
乗り物は、道路のようになっている船の甲板を、猛スピードで加速し、もうすぐ船の端から落ちてしまうと思ったその瞬間。
乗り物が船から離陸した。
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