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3XXX  作者: 紫電
31/59

ラストスパート

翌朝。

この町では特にめぼしいことは起きなかったため、昨日はいつも通り夕食を食べ、すぐに宿に向かって寝た。

イベント性のあることが起きなかったおかげか、今日は夢も見ないくらいぐっすりと寝ることができた。

朝もこれ以上ないくらいすっきりである。

ぐっすり寝られたのは俺だけではないようで。

いつもはぶっ叩かれるまで起きないこの男も起こされずとも起きてきた。

「おはようルセイ。よく寝られたみたいだね。」

「2年ぶりくらいにゆっくり寝たわ。」

「そりゃ何よりだ。」

「早く隣の部屋の二人を起こしに行こうぜ。いつもの仕返しで枕でぶっ叩いてやる」

「あんまり女の子に乱暴しないで差し上げろよ…」

「俺はやられてもいいってか?」

「そんなことは言っていない」

「でもお前いつも俺を叩き起こすのに参加しとるやんけ」

「ちょっと何言ってるかわからない」

そんな会話をしながら隣の部屋に向かう。


隣の部屋に着いたので、コンコンと軽くノックをする。

聞こえなかったかなと思い、もう一度ノックをしようとすると。

「おはよう。なんか今日はよく寝られたわ。」

と、ソフィーが出てきた。

「スティーノちゃんも起きてるよ。ちょっと呼んでくるね。」

と言うと、ソフィーはまた部屋の中に入って行った。

ふと横を見ると、ルセイは起こす気満々だったようでちょっとがっかりしていた。

悔しかったらお前は日頃からもうちょっと早く起きることだな。


なんだかんだあって全員が揃った。

いつもよりも一時間ほど早い時間に出発できそうだ。

今日分かったことは、朝グダグダになるのはほぼほぼルセイのせいだということだ。


全員揃ったところで、いつも通りチェックアウトへ向かう。

手続きを済ませたら、またこれもおなじみになっているが、街の入口に向かっていく。

ラクダを使うのは今日で最後になる。

ラクダたちにも今日まで旅を支えてもらったお礼をせねば。


窓口で領収書をもらい、用意されたラクダに跨る。

もう慣れたものだ。

初日はヤバそうだったルセイも、もう慣れた手つきで手綱を握っている。

今日はよろしくなとラクダに話しかけ、俺も手綱を握る。


砂漠をラクダに乗って、ひたすら走っていく。

代り映えのしない景色でもういい加減飽きが来てはいるが、湿度が低いので風を切って走るのは心地いい。


太陽が真上近くまで昇り、とてつもない熱気が押し寄せてきた。

携帯している水を飲みながら熱中症対策をしっかりする。

砂漠で熱中症になったら最悪、死である。


そこからしばらく走っていると、オアシスが見えてきた。

丁度いい。あそこでお昼休憩にしよう。


仲間たちと喋りながらのお昼休憩。一人旅だと心が折れそうになると思うが、仲間たちと話しながらだと精神状態もいいまま旅を続けることができると思う。

そういう意味でも、俺はいい仲間に恵まれたと思う。


お昼休憩を終わらせ、いよいよラストスパートである。

スタートが早かったのもあって、夕方にはトゥーンバに着きそうである。


その後は特に問題もなく、ブリスベンの隣町、トゥーンバに到着した。

明日はいよいよ、旅の目的地であるブリスベンへ向かう。

今日も早く寝て、明日へ備えるべきだろう。


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