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3XXX  作者: 紫電
30/59

セント・ジョージ

朝である。

外の湿度が高いからなのか、ジメジメとしてとても清々しいとは言えない。

空気に文句言っても何も始まらないので、体を起こして洗面所へと向かう。

顔を洗えば少しはすっきりするだろう。

顔を洗って、隣の部屋のソフィーとスティーノを起こしに行く。


コンコンと部屋のドアにノックをし、返答を待つ。

しばらくすると、ガチャガチャと鍵を開ける音がして、ドアが開いた。

眠そうな顔をしたソフィーが部屋から出てきた。

「もう起きるの…?いつもより早くない…?」

「今日は次の町までかなり距離があるから早く出るぞ。」

「えぇ…」

「えぇ…じゃないの。ほら。スティーノも起こしてきて。」

「へ~い…」

まぁいつもよりも1時間くらい早いし眠いのもしょうがないか。


しばらくして。

まだソフィーが戻ってこない。

…遅ぇな。

…さては。

コンコンともう一度ノックをする。

「は~い…おはよ~…」

「おはよーじゃねぇ。お前今二度寝してただろ」

「してないよぅ…横になっただけだよぅ…」

「それを世間一般では二度寝という。」

そんなことはどうでもよくて。

「マジで今日は早く出ないといけないから。スティーノ呼んできて。」

「へ~い」

この流れさっきもやった気がするが。


しばらくすると、今度はちゃんと起こしてきてくれたようで。

「おはようございます~」

「はいおはよー。」

後はウチのルセイ君だけだが。

これが厄介なんだなこれが。

自分が寝ていた部屋に3人で戻り、全員で枕を構える。

「せぇーの!!!」

という俺の合図で一斉に枕をルセイの顔面に叩きつける。

「ッ!?!?なんだぁ!?!?」

なんか前にもこんなの見たことある気がするな。


なんやかんやあって、4人全員が起きたので、荷物をまとめてチェックアウトへ向かう。

チェックアウトはいつも通り俺が手続きを済ませた。

今日もラクダでの移動になるため、街の入口にある貸し出しの窓口に向かう。

窓口でいつも通りサイン付きの領収書を受け取り、ラクダに乗る。

3回目なのでみんなも慣れたものである。

「ルセイも随分慣れたみたいだな。」

「割と今でも足ガクガクなんだなそれが」

マジか。大丈夫なのかそんな状態でスピード出して。

「まぁみんなのペースには多分ついていけるから大丈夫。ヤバそうなら止まってくれって言うから」

「おーけー。安全第一でね。」

そんな会話をしながら、今日の旅路がスタートした。


今日の旅は至って順調で、特にトラブルもなくお昼休憩にこぎつけた。

が、そこで問題発生。

ルセイがラクダを固定するのを忘れ、ラクダが逃走。

追いかけるために砂漠の中を4人で全力ダッシュする羽目になった。

休憩ってなんだっけ。


まぁそんなこともあったが他は特に問題もなく。

午後も順調に予定通りの道を進んで行った。

ルセイのラクダを追いかけていた影響で、到着するころにはもう日が落ちていたが、今日の目的地、セント・ジョージに到着した。

この町で一泊した後、トゥーンバという町に向かい、その後はいよいよこの度の目的地、ブリスベンへと向かう。

一つの旅が終わりに近づいている。この先も気を緩めずに行こう。


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