ミルデューラ
砂漠の中に、一つぽつんと町がある。
ここはミルデューラ。砂漠の中のオアシスのような町だ。
夕日と街の明かりがそこら中に生えているヤシの木々を紅く照らしている。
日没直前、俺たちはこの町に着いた。
まずは宿の手配をするため、地図に従って宿まで歩く。
一日中砂漠を歩いた疲れからか、手足がけいれんを起こしてきた。
流石にこの状況はまずい。
「すまん。俺体力がもう限界みたいだから宿に着いたら少し休憩にしないか?」
「俺は賛成だな。なんせ俺ももう足ガクガクだから。」
ルセイに頷いていると、
「あたしはまだ大丈夫だよ~」
と、聞こえてきたので後ろを振り返ると…
「お前!スティーノに背負われてんじゃねえかよ!降りろや!」
「ちょっと何言ってるかわからない」
ま、ほぼ全員ヘロヘロだということだ。
スティーノは体力バケモンだけど。
しばらく歩いて、宿に着いた。時刻は18:00を少し回ったところ。
1時間ほど休憩したら夕飯を食べに外に出ようか。
そんなことを考えているうちに、スティーノが部屋の鍵を持ってきてくれた。
ちなみに俺含む3人は宿のロビーのソファーで3人まとめてぐったりである。
自分たちの部屋に着き、ベッドで横になっていると、意識が一瞬持っていかれそうになる。
今寝たら確実に朝まで寝てしまうので必死で眠気に抗う。
そんなこんなしていると勝手に時間は過ぎていき、現在時刻は19:00。
少しだけ軽くなった体を起こし、仲間たちを集めて夕飯を食べに飲食店へ向かう。
近くにあった店に入って、メニューを見てみる。
他の町よりもデザートに力が入っているように思える。
やはり果物の名産地ということでメニューにも大量に果物が含まれているようだ。
仲間には今日は酒は飲むなと言ってあるので安心してオーダーできる。
運ばれてきた料理を食べた後、せっかくなのでデザートも食べてみることにした。
俺が選んだのは、赤ブドウのクリムゾンという品種と、白ブドウのトンプソンという品種を使ったパフェだ。
綺麗に飾り切りされた2色のブドウがクリームの白によく映える。
一口、また一口と口に運んでみる。
ブドウが単体でも甘いからなのか、ブドウの甘さがクリームの甘さに負けておらず、逆に引き立って感じる。
少し酸味のある赤ブドウも、クリームの甘さとよく合っていてとても美味しい。
それに、こだわっているのはブドウだけでなく、クリームにもこだわりを感じる。
ブドウが引き立つように最善の甘さを与えてくれている。
食レポはこのくらいにして、食べ進めるとしよう。
夕食を食べ終え、また宿へと向かう。今日は誰も酔っぱらっていないので快適である。
ルセイは食べたがっていた果物を食べられて満足したようだ。
さっきからずっと、
「美味しかったな~」
と、ルンルンである。
仲間の笑顔は伝播するようで、俺たち他の仲間もいい気分で宿へと向かっている。
しばらく歩いた後、宿に到着して、各自寝る支度をした。
明日はさらに北東へと歩みを進め、ウィルカニアへと向かう。
次の町では何が待っているのか、今から楽しみである。




